プロポーザル部門 最優秀賞
田中翔太 額田奈菜子 内藤佑(京都工芸繊維大学大学院)
田中翔太氏.
窓辺の分煙空間
都市の美しい緑に目を向けるための仕掛けとして,大きな窓を提案する.窓の形をした灰皿は,風景を縁取ることでその美しさを際立たせ,その中にたばこを吸う人の居場所をつくる.窓辺の風景を占める密度はデザインされており,たばこを吸う人は風景を引き立てる存在として認識される.また,大きな窓の中で人の密度をデザインすることは,煙との距離を保つことでもある.そして,窓の歪んだ形状は,たばこを吸う人と吸わない人のたまりを同時につくる.たばこを吸う人は,窓越しに美しい緑を眺めながら一服し,吸わない人は,緑道を歩き気付かなかった風景の魅力に目をとめる.この窓は,たばこを吸う人と吸わない人を繋ぐ窓であり,都市の緑と人びとを繋ぐ窓である.