プロポーザル部門 佳作
阿曽弘佳(工学院大学)
阿曽弘佳氏.
空飛ぶ煙突
煙突状の風船をヘリウムガスで満たし,人びとの頭の高さに浮かべる.太陽光を蓄熱し煙突内の温度が上昇すると煙突効果が発生し,煙突の下の空気を吸い上げる.その下でたばこを吸うと,上昇するたばこの煙を煙突が吸い上げるというわけである.横に広がってしまう煙を縦方向に引き上げることで,たばこを吸う人も吸わない人も隔たりなく緑化空間を使える.ペグ(小さな杭)や重りで地面にとどまるこの煙突は,緑地空間に対する負荷が少なく,設置も容易で,さまざまなアクティビティに対応し設置場所を変えることができる.風船はアルミ蒸着フィルムでできている.アルミ蒸着フィルムは気体の透過率が低く,反射性に富む素材である.風の中に揺らぐ煙突が周囲の木々を映し出し,緑化空間をより爽やかな景色につくり変える.
プロポーザル部門 佳作 阿曽弘佳