課題/21世紀住宅

現在,核家族という一般的な家族像ではとらえきれない居住形態が数多く生まれている.ここで,20世紀に生み出された家族像を,じっくりと見つめてみる必要がある.たとえば,家族単位ではない住宅をつくることも考えてみるべきではないか.新しい都市居住のあり方は,21世紀のリアリティから生み出されるものである.それは,与えられるものではなく,自分たちでつくらなければならない.なぜそこに住むのか,どのように住むのか,あるいは住まいを巡る物語はどう組み立てられるのか,住宅について考えるということは,そうしたことを考えることである.敷地は300m2から400m2以内とする.
応募者には,自らのイメージが刺激される,現実の敷地を選定してもらいたい.都心の住宅密集地でも,郊外の住宅地でもかまわない.自らが選択した環境を記述し,その土地の所有形態を想定してほしい.そして,その状況が成立する理由を,社会的リアリティを含めて考えてほしい.計画する住宅は,何らかのかたちで地域社会に貢献できるものとする.