■ 佳作
審査委員コメント
「輪郭のない家」は半地下の住宅である.ごく一般的な分譲住宅地の住宅をすべて半地下の住宅にする.その上部も周辺もすべて公園の一部である.つまり住宅群がパブリックな公園の中にあるという提案である.森のようになった住宅地の風景は美しい風景になると思われるが,どのようにしてプライバシーを確保するのか.そのプライバシーというのは一体なんなのか.それを考える絶好のチャンスでもあったのだから,そこをこそ提案してほしかった.
(山本理顕)
プライベートな住宅がどこまでパブリックになりうるか,これは今後より興味深くなっていくテーマだと思う.その設問に対し,空間図式としてではなく,むしろランドスケープ的な観点から組み立てようとした点に可能性が感じられる提案だった.
(千葉学)