作品例部門 優秀賞
シーバンスN館 共用喫煙室
小森裕二 篠田尚紀(NTT都市開発)
竣工後20年経過した大型オフィスビルの改修.1階エントランスホール近くの来客用トイレと一部バックヤード部分を,新たに喫煙室に模様替えしている.特徴は,喫煙室と廊下の間には壁を設けず,特殊な視覚効果のあるガラス(布を挟みこんだ合わせガラス)のスクリーンを用いておだやかに領域を仕切っていること.また出入口はドアレスで,開口面全体に廊下から喫煙室へ一定風量(0.2m/s以上)の空気の流れをつくり出すことで煙・匂いの廊下への流失をほぼなくしている.さらに,喫煙室の基準天井高は廊下と同じ3,150mmであるが,喫煙エリア上部に1,900mmの高さの折上げ部分を設け,頂部に排気口を持つフード型の天井とすることで,居住域高さでの煙・匂いの滞留が起こるのを防いでいる.これらのドアレスとスクリーンの組み合わせにより,喫煙者,非喫煙者が一体空間の中に共存する雰囲気を実現した.