結果発表
「分煙空間」をテーマに開催されたSMOKERS' STYLE COMPETITION 2012.去る2012年4月13日,霞が関ビルプラザホールにて,アイデア部門のプレゼンテーション,公開審査会が開催されました.2月27日に行われた1次審査で359点(登録784件)の応募案から選出された6組がプレゼンテーションを行い,審査委員からの質疑に答え,その後審査委員による公開の議論によって右記の各賞を決定しました.また,15点(登録30件)応募された作品例部門も,2月27日の審査により各賞が決定しました.
アイデア部門
作品例部門
- 最優秀賞(1点) 賞金 100万円
- 北典夫 大橋隆男 大坂泰 浅川毅郎(鹿島建設)
虎ノ門タワーズ リフレッシュスペース - 優秀賞(1点) 賞金 50万円
- 小森裕二 篠田尚紀(NTT都市開発)
シーバンスN館 共用喫煙室 - 佳作(2点) 賞金 各10万円
- 田中寛治(メック・デザイン・インターナショナル)
イヌイビル・カチドキ リフレッシュエリア リニューアル計画 - 梅田直樹(梅田直樹アトリエ)
through house
主催者メッセージ
日本たばこ産業株式会社代表取締役副社長 佐伯明
今回のコンペにつきましては,アイデア部門において,「オフィス街の屋外広場」と題し,都心に建つオフィスビル周りの公開空地を想定敷地として,たばこを吸われる方と吸われない方との共存に向けたアイデアを募集させていただきました.
今回は日本橋でたくさんの人が行き交う交差点脇に建つビルの足下に,どのような広場がつくれるのか,またその時に屋外での分煙はどのように実現できるのかといった,とても難しい課題でした.しかしながら,最終的には全国から359点もの応募をいただきましたことに対してまずは厚く御礼を申し上げます.
分煙というものが世の中で認知されつつある昨今,その潮流に並行するように,回を重ねるごとに作品の質が向上しているのに驚き入りました.分煙空間の実例を募る「作品例部門」も含め,今回の作品はただたばこを吸うだけの場所ではなく,しっかりとたばこを吸われない方への配慮をしながらも実にさまざまな「たばこを愉しむ空間」を考えていただいたものであることが2次審査会を通じて実感できました.
皆様方の作品に込められた建築・デザインに対するそれぞれの想い,そして今回,一生懸命知恵を絞ってアイデアを出していただいたその熱意から,分煙に対する社会的な関心の大きさと,その裏返しとしての私共に課せられている使命を改めて痛感いたしております.
その使命をしっかりと受け止めながら,私共JTはたばこを吸われる方,吸われない方が協調して共存できる社会の実現に向けた活動を今後も実施していきたいと考えております.
SMOKERS' STYLE COMPETITION 2012 TROPHY
撮影 KEI TANAKA
SMOKERS' STYLE COMPETITIONの賞にふさわしい知的で美的で象徴的なデザインは何か.ヒントは山中伸弥教授のノーベル賞授賞式でした.彼が正装に身を包んで受け取っていたのは,格調高い一冊の「本」の形をしたものです.本は洋の東西を問わず,文化と知的活動の証です.しかも本棚に収納することも飾ることもできます.
今回の「本」は分煙の趣旨を明確に表せるように,中味を透明のガラスとし,その中に煙の一瞬の姿を眼に見える形でとらえました.また対象敷地である日本橋の歴史・文化の記憶を尊重して,和綴じ箱入りにしました.なるべくニュートラルな清潔感を求めて,素材はすべて白としています.丹念な手づくりです.
(六鹿正治)
プロデュースは六鹿正治.アートディレクションは代官山蔦屋書店「ANJIN」を手がけた魚本敬正.装丁造本は「11ème Biennale Mondiale de la Reliure d'Art」にて最高賞を獲得した大平立子がそれぞれ担当.