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a+uからのお知らせ 編集部新体制について

『a+u』は、2021年4月より、セン・クアンをチーフ・エディトリアル・アドヴァイザーとして迎えることを発表する。『a+u』では、今後編集長体制を一新し、セン・クアンが本誌の特集内容や編集方針を決定する立場を担う。1996年より編集長を務めてきた吉田信之は引き続き、発行人として参画する。また、副編集長には佐藤綾子が着任。『a+u』は1971年に創刊された和英併記の月刊誌として、2021年に創刊50周年を迎えた。姉妹誌には和文月刊誌『新建築』と『新建築住宅特集』があり、両誌はおもに日本の建築コミュニティに情報を提供している。

さらに、『a+u』ではバリー・バーグドール、ジョヴァンナ・ボラーシ、アンドレス・レピックの三氏からなる新たな編集委員会を任命。それぞれが今日の建築批評・学問において非常に活動的で大きな影響力をもつ人物であり、三氏とセン・クアン、編集スタッフが連携し、今後も『a+u』は、建築とその言説がつくりだすきわめて流動的な諸相のなかで、価値をもった情報の提供につとめ続けていく。

プロフィール:

セン・クアンは東京大学特任准教授、ハーヴァード大学GSD講師。メタボリストに関する「大地、水、空」三部作、近代日本建築における構造工学の役割について、そして丹下健三(2012)や篠原一男(2021)に関する著作を含め、戦後日本の建築文化について幅広く執筆。研究プロジェクトは、グラハム財団および国際交流基金から主要な助成金を受ける。ハーヴァード大学大学院で建築・都市計画を学び、建築史の博士号を取得。過去に『a+u』の編集に携わり、最近では、アーキテクテン・デ・ヴィルダー・ヴィンク・タユーのモノグラフ(17:06)や、丹下健三設計の代々木国立体育館に関する特集号(19:10)でゲスト・エディターを務める。

バリー・バーグドールは、現在コロンビア大学美術史学科のマイヤー・シャピロ講座教授、2007から2014年にはニューヨーク近代美術館(MoMA)の建築・デザイン部門でチーフ・キュレーターを務める。近代建築史の専門家として、MoMA、カナダ建築センター(CCA)、オルセー美術館などの機関で数多くの展覧会のキュレーターを歴任。「Mies In Berlin」展(2001)、「Bauhaus 1919–1933: Workshops for Modernity」展(2009〜10)、「Rising Currents: Projects for New York’s Waterfront」展(2010)、「Latin America in Construction: Architecture 1955–1980」展(2015)、「Frank Lloyd Wright at 150: Unpacking the Archive」展など。直近では、『Marcel Breuer: Building Global Institutions』(2017、ジョナサン・マジーとの共著)を発表、そのほかにも『European Architecture 1750–1890』(2000)など数多くの著作を出版。バーグドールは建築史家協会の前会長であり、現在ニューヨーク建築センター理事長を務める。

ジョヴァンナ・ボラーシは、2005年からカナダ建築センター(CCA)に所属。当初は現代建築のキュレーターとして(2005〜10)、続いてチーフ・キュレーター(2014〜19)、そして2020年1月から館長を務める。ボラーシは、現代の環境、政治、社会問題が都市や建築環境に与える影響を考慮しながら、建築実務とその評価方法のありうべき姿を模索。ボラーシはミラノ工科大学で建築を学び、『Lotus International』(1998〜2005)、『Lotus Navigator』(2000〜04)の編集者、また『Abitare』では副編集長(2011〜13)を務める。ボラージがキュレーターを務めた最新プロジェクとして、ドキュメンタリー映画の三部作が挙げられる。ホームとホームレス性、独居、高齢者を建築がどう結び、どう理解するのかを再考する作品で、CCAが1年にわたり行なった調査「人生をとり戻す(Catching Up with Life)」の一部である。この調査では、家族、愛、友情、仕事、労働、自動化、統治、所有権、債務、消費主義、退職、デジタルの遍在、死といった流動的で進化する概念に、建築と都市がどのように対応できるかが探られた。(写真:Richmond Lam、 提供:Canadian Center for Architecture)

アンドレス・レピックは、ミュンヘン工科大学(TUM)の建築史学・キュレーション学教授、同大学建築博物館の館長。美術史を学び、ルネサンス期の建築模型研究で博士号を取得。1994年にベルリンの新ナショナル・ギャラリーにてキュレーターとしての仕事を始め、「Renzo Piano」展(2000)と「Content: Rem Koolhaas and AMO/OMA」展(2003)を企画。2007から2011年にはMoMAの建築・デザイン部門のキュレーターを務め、「Small Scale, Big Change: New Architectures of Social Engagement」展(2010〜11)を企画。2011から2012年にかけて、ハーヴァード大学GSDのローブ・フェロー。ミュンヘンの建築博物館にて2012年以降に担当した展覧会として、「AFRITECTURE: Building Social Change」展(2013〜14)、「Lina Bo Bardi 1OO」展(2015)、「Francis Kéré: Radically Simple」展(2016〜17)、「Access for All: São Paulo’s Architectural Infrastructure」展(2019)などが挙げられる。(写真:Laura Trumpp)

(松本晴子訳)