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AIチャットボット「Shinkenchiku-DATA」を一般公開 新建築データに蓄積した20,000件超の建築プロジェクト情報を読み込み、質問に応答するAIチャットボットサービス

新建築データ社は、OpenAI社の対話型AI「ChatGPT」のカスタマイズ機能「GPTs」を活用し、過去『新建築』などの雑誌に掲載された20,000件以上のプロジェクト情報を組み込んだチャットボット「Shinkenchiku-DATA」を一般公開します。本サービスを活用することで、AIとの建築にまつわる創造的な対話が可能になります。


◾️「Shinkenchiku-DATA」について
「Shinkenchiku-DATA」には、雑誌『新建築』、『新建築住宅特集』、『a+u』に掲載された建築作品の誌面をアーカイブするWebサービス「新建築データ」に蓄積された情報が組み込まれています。1975年から2023年まで、3誌に掲載された20,000件以上の建築プロジェクトの誌面データから、建築家が執筆した論考や図版のキャプション、データシートなどのテキスト情報を参照し、投げかけられた質問に対して応答するAIチャットボットです(*1)。ChatGPT内にて本サービスを活用することで、たとえば「近年建築家が着目する社会課題について」など、建築にまつわる創造的な対話や、「回遊性の高い建築」「環境負荷削減を目指す建築」など、より直感的な言語による建築作品の参照が可能になります(*2)。

*1)本サービスが 参照するデータは『新建築』(1975年1月号〜2023年7月号)、『新建築住宅特集』(1985年5月号〜2023年9月号)、『a+u』(2000年1月号〜2023年6月)に掲載された建築プロジェクトのテキストデータです。
*2)本サービスのご利用にはChatGPTのアカウント登録が必要です。

◾️利用例
ユーザーからの質問:
近年の超高層ビルのデザイン的な潮流について教えてください。

チャットボットからの回答:
近年の超高層ビルのデザイン的な潮流について、以下の重要なポイントが挙げられます。
持続可能な建築の進化:
ビャルケ・インゲルスが手掛けた深圳エネルギー本社屋は、持続可能性への注目を象徴しています。このビルは、ひだ状に折り畳まれたカーテンウォールを特徴とし、エネルギー効率の高い建築を実現しています。明るさとエネルギー効率を両立させる設計は、21世紀の超高層ビルのモデルとして位置づけられています。 (ビャルケ・インゲルスの深圳エネルギー本社屋, 2016年)

リノベーションと都市の活性化:
新宿住友ビルのリイノベーションは、超高層ビルの再生と街の賑わいの創出を目指しています。このプロジェクトは、屋内と屋外の境界を曖昧にし、より開放的な空間を提供することで、都市空間の活性化を図っています。 (新宿住友ビルRE-INNOVATION PROJECT, 2020年)

テクノロジーの活用とモニュメンタリティ:
SOMが手掛けたチェイス・マンハッタン銀行ビルでは、当時の最高水準のテクノロジーを活用した設計が特徴です。このビルは、外装のアルミ素材により、建物の高さを強調し、密度の高い構成がモニュメンタリティを獲得しています。また、パブリックスペースとしてのオープンプラザを設計することで、都市のパブリックスペースのあり方に影響を与えています。 (SOMのチェイス・マンハッタン銀行, 2017年)

これらの例から、近年の超高層ビルは持続可能性、都市空間との調和、最新テクノロジーの活用といった要素を重視していることがわかります。これらの傾向は、超高層ビルのデザインと都市環境の将来に大きな影響を与えています。


◾️独自のテキスト生成プロセス
「Shinkenchiku-DATA」は、ユーザーから投げかけられた質問に対し、その答えに関連する建築プロジェクトのデータを複数ピックアップし、それらの情報をもとに論を組み立て、回答テキストを生成します。
そのプロセスには、質問に対する正確な答えだけでなく、AIの思考の過程そのものにも新たな発見を見出せるような処理を施しています。チャットボットが質問と関連する建築プロジェクトを参照する際、そのうちひとつはあえて無作為に選ぶようプログラミングしています。人は物事を考える際、必ずしも問いに関連する経験のみから答えを導くのではなく、以前に見た建築やテレビ番組など、一見関連性の薄い事象からもふとしたヒントを見出すことがあります。AIの思考にも、そうしたランダム性を持ち込むことで人の思考に近づけ、独自の個性を生み出すものと考えての処理です。
建築についての問いの多くは、ひとつの答えに留まらないものです。ですが、このチャットボットは問いに対して回答をもたらすツールというだけではありません。共に疑問に寄り添い、自分なりの答えを導くためのパートナーとして、ぜひご利用いただきたく思います。

◾️開発の背景
本サービスの参照元である「新建築データ」は、単なる建築情報のアーカイブのみならず、建築に関わる無数の情報をネットワークの中で捉え直すことで、建築と情報の新たな関係性を見つけ出すことをミッションとしています。ローンチ当初より、アーカイブデータのAI活用を通じ、その新たな情報のあり方を提示することを目指してきました。そこにChatGPTが登場し、AIによるテキストの文脈理解が可能になったことで、その構想が具体性を帯びました。
ChatGPTの登場以降、AIが雑誌掲載テキストを解釈するための方法の検討、回答テキストを生成するパラメータの調整などを重ね、AIチャットボットサービスの一般公開へと結びつきました。
アーカイブとは本来、ある資料を後世のために記録・保存する行為ですが、本サービスにおいては、それらを単なる記録ではなく、新たな創造を呼び起こすためのマテリアルとしてご活用いただくことを目指しています。AIとの問答は、検索だけでは気づけなかった価値や情報を発見する機会を生み出すものです。
新建築社は今後も、新たな建築「知」のあり方、またそれらを実際の建築や都市設計に活用する可能性を模索し続けます。


◾️「Shinkenchiku-DATA」の使い方

  • ChatGPTにログインした状態で、「新建築データ」のメニューバーにある「GPTs」をクリックする
  • チャットボットへ任意の質問を投げかける
  • チャットボットより質問への回答を受け取る

ユーザーガイドはこちら


利用規約

  • 当社(株式会社新建築社)は、「Shinkenchiku-DATA 」において出力された情報について、完全性、正確性、最新性、有用性等いかなる保証もいたしません。ご利用者様のご判断でご利用ください。
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  • 当社は、事前の通知なく「Shinkenchiku-DATA 」の提供を終了する場合があります。あらかじめご了承ください。


【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社新建築社
連絡先 tel. 03-6205-4380 (代表)  fax. 03-6205-4386
メールアドレス contact@shinkenchiku-data.com