新建築 2010年2月号 ヨコハマアパートメント
Content
フォー・ボクシーズ・ギャラリー+リンツ・スーパー・ブランチ=
アトリエ・ワン
他 アトリエ・ビスクドール=
前田圭介
空の教会=
伊丹潤 集合住宅特集 新しい共有のかたち
ヨコハマアパートメント=
オンデザイン
SH=坂倉建築研究所 パークシティ浜田山=
光井純
+KAJIMA DESIGN 大崎ウエストシティタワーズ=UG都市建築 12のストゥッディオーロ(MM1221)=
小嶋一浩
+
赤松佳珠子
/CAt trois=
佐藤光彦
松ヶ崎荘=
長坂大
/Méga House T=ビーフンデザイン+なわけんジム 国領アパートメント=
小川広次
TRIFOLIATE=
早草睦惠
浜田山のコーポラティブハウス=インターデザインアソシエイツ他 Y-3=
駒田剛司
+
駒田由香
下目黒ハウス=
室伏次郎
石双居=ラブアーキテクチャー
建築論壇 site specificからsite determinedへ
建築がその場所にできること
千葉学

作品

撮影: Anders Sune Berg
photo: Anders Sune Berg
フォー・ボクシーズ・ギャラリー 設計 アトリエ・ワン+筑波大学貝島研究室
施工 Dan-element所在地 デンマーク・スキーブ
デンマークの国民高等学校であるホイスコーレの敷地内に建設されたギャラリー.4つの箱が入れ子状に重なった構成となっている.構造は仕上げから断熱材まで一体に成形したプレキャストコンクリートパネルによる壁式工法を採用している.
FOUR BOXES GALLERY architects: ATELIER BOW-WOW+KAIJIMA LAB. UNIVERSITY OF TSUKUBA SKIVE, DENMARK 2010

撮影: OK+Otto Saxinger
photo: OK+Otto Saxinger
リンツ・スーパー・ブランチ 設計 アトリエ・ワン
施工 Brüder Resch Hoch- u. Tiefbau GesmbH & Co KG所在地 オーストリア・リンツ
オーストリア・リンツのOKセンターで開催された展覧会.アトリエ・ワンは観賞のための通路となる木製トラスフレームの橋を設計した.橋は高低差のある複数の建物の屋上や屋内を上下し,観客は歩きながら周辺の街やアート作品を観賞する.
LINZ SUPER BRANCH architects: ATELIER BOW-WOW Linz, Austria 2010

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
アトリエ・ビスクドール 設計
前田圭介/UID
施工
西友建設
所在地
大阪府箕面市
緑溢れる住宅街の中に計画されたアトリエと住宅.腰壁=浮遊する帯を敷地内に2重3重に重ねることで,外部を内部に取り込んだり,内部が外部ににじみ出たりする.浮遊する帯は,鋼板サンドイッチ版構造.
ATELIER-BISQUE DOLL KEISUKE MAEDA/UID ARCHITECTS Minoh, Osaka, JAPAN 2010

撮影: 佐藤振一
photo: Shinichi Sato
空の教会 設計 伊丹潤・アーキテクツ
施工 EOMJI HOUSE所在地 大韓民国済州特別自治道西帰浦市
韓国の済州島に計画中の「ビオトピア」プロジェクトの一画に建つ教会.同事務所による水,風,石,地と名付けられた4つの美術館(本誌0512)に続く作品.屋根は映り込みの異なる3色の亜鉛合板葺き.750mmピッチで配された木製柱は50×200mmの鉄骨パイプを内包している.
CHURCH OF SKY ITAMI JUN ARCHITECTS Jeju Special Self Governing Province, Republic of Korea 2009

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
ヨコハマアパートメント 設計 西田司+中川エリカ/オンデザイン
施工 伸栄所在地 神奈川県横浜市
横浜の住宅地に建つ4戸の集合住宅.1階は製作やイベントのための広場,居住スペースはすべて2階.広場には水回りとガスレンジのほか,床暖房が設置されており製作や滞在するための場所として設計されている.2階部分は3角形の壁柱4本で支えられており,各住戸へは広場からそれぞれ個別の階段を上って入る.
YOKOHAMA APARTMENT OSAMU NISHIDA+ERIKA NAKAGAWA/ON DESIGN
Yokohama, Kanagawa, Japan
2009

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
SH 設計 坂倉建築研究所
施工 鹿島建設所在地 東京都港区
坂倉準三が事務所を開設し,さまざまな人びとが集った場所で,既存の建て替え.大きな樹木(ヒマラヤスギとケヤキ)を残しながら,3つのボリュームを雁行させて配している.低層階に店舗,上層階に10戸の賃貸住戸.コンクリートは3種類の樹種を用いた型枠パネルでつくられた.「東京ミッドタウン」に隣接.
SH architects: SAKAKURA ASSOCIATES
Minato-ku, Tokyo, Japan
2009

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
パークシティ浜田山 マスターアーキテクト 光井純 デザインアーキテクト 光井純&アソシエーツ建築設計事務所 KAJIMA DESIGN 施工 鹿島建設所在地 東京都杉並区
三井不動産が1933年に浜田山グラウンドとして整備した8haの地の再開発計画。既存の樹木を残し、セキュリティを確保しながら地域に開く街づくりを実現させた。オープンな中庭を持つ中低層集合住宅A〜I棟と、これから予定されている戸建て住戸群により構成されている。
PARK CITY HAMADAYAMA architects: JUN MITSUI & ASSOCIATES ARCHITECTS, KAJIMA DESIGN
SUGINAMI, TOKYO, Japan 2009

撮影: 新建築社
photo: SHINKENCHIKU-SHA
大崎ウエストシティタワーズ 設計 山下昌彦+UG都市建築 ランドスケープ
PLACEMEDIA
施工
清水・フジタ建設共同企業体
所在地 東京都品川区
老朽化した木造住宅密集地の再開発.4層の低層住宅棟,38層,39層の高層住宅棟,7層の業務棟により構成されている.低層棟は周囲のスケールに合わせ軒髙を設定.中央に通り抜けの広場をつくり,街に開放している.2棟の高層住宅棟は互いに向き合わないように配置することで,住戸間のプライバシーを確保.壁面には青色のLow-Eガラスを使用.
OSAKI WEST CITY TOWERS YAMASHITA MASAHIKO+UG TOSHI KENCHIKU Shinagawa ku, Tokyo, Japan 2009

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
12のストゥッディオーロ(MM1221) 設計 小嶋一浩+赤松佳珠子/CAt
施工 松島興業所在地 東京都港区
都心の隣合うふたつの敷地に建つ2棟.それぞれ約4.5m角・5層の中に6戸(10.8〜15.79m
2
)の賃貸住戸が立体的に構成されている.全12戸はすべて異なるプラン.アクセスは2棟の間に設けられている.スラブ・壁厚共に150mmの鉄筋コンクリート造.
12 STUDIOLO architects: KAZUHIRO KOJIMA + KAZUKO AKAMATSU/CAt
Minato-ku, Tokyo, Japan 2009

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
trois 設計 佐藤光彦建築設計事務所
施工 深澤工務店所在地 東京都国分寺市
許容容積率の低いゆったりとした住宅地の中に建つ集合住宅.3層のボリュームがずれて積み重なることで,テラスや庇を生み出している.共用階段と水回りを各々コアに収めて配置.ボリュームのずれとコアのずれが多様なプランを生み出す.
TROIS MITSUHIKO SATO ARCHITECT AND ASSOCIATES Kokubunji shi, Tokyo, Japan 2009

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
松ヶ崎荘 設計 長坂大/Méga
施工 サクジ工務店所在地 京都府京都市
京都の住宅地,銅版画作家のアトリエ付き住宅の2階に,2戸の賃貸住宅を付属させた集合住宅.簡易的な版築工法でつくられた切り通しを抜けてエントランスに至る.家主と入居者が庭を共有する.外壁は,木ズリの上にラス(金網)を貼りモルタル左官で仕上げている.
MATSUGASAKI-SO DAI NAGASAKA/MEGA
Kyoto, Kyoto, Japan
2009

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
HOUSE T 設計 進藤強/ビーフンデザイン 名和研二/なわけんジム 施工
平成建設
所在地
東京都練馬区
7つのユニットで構成された木造賃貸併用住宅.現在3戸を賃貸,4戸をオーナー住戸兼オフィスとして使用しているが,組み合わせを変えることも可能.法規の制約をきっかけとして,各住戸に天井高1,400mmの「ガリバーゾーン」を設け床面積を増やすとともに,空間的な広がりももたせる.外壁は樹脂モルタルの上に撥水剤塗布.
HOUSE T
TSUYOSHI SHINDO / BE-FUN DESIGNKENJI NAWA / NAWAKENJI-M Nerima-ku, Tokyo, Japan 2009

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
国領アパートメント 設計 小川広次建築設計事務所
施工 創建所在地 東京都調布市
3階建て,5戸の集合住宅.内部,外部共にコンクリート打ち放しにしており,断熱材はコンクリート打設時に,ダブル配筋の中央部に一体で打ち込まれている.細長い室内の四隅に縦長の開口を設けたり,高低差を付けたりすることで空間に動きや奥行を出している.
THE KOKURYO APARTMENT architects: KOJI OGAWA ARCHITECT & ASSOCIATES Tyohu, Tokyo, Japan 2010

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
TRIFOLIATE 設計 早草睦惠/セルスペース
施工 大島建設所在地 東京都
地下1階・地上3階,全6戸のコーポラティブハウス.敷地は南側斜面で,眺望と緑が広がっている.変形し,かつ傾斜を持った土地の特性を活かし,6住戸を立体的・多様に構成している.全体ボリュームにY字型のスリットを設けて3つに分節し,適度なプライバシーと繫がりを生み出す.
TRIFOLIATE architects: CELL SPACE ARCHITECTS Tokyo, Japan 2009

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
浜田山のコーポラティブハウス 設計
インターデザインアソシエイツ 松本剛建築研究室
施工
松尾工務店所在地 東京都杉並区
全13戸のコーポラティブハウス.北には公営の駐輪場があり,南には法的規制により3階建て以上の建物が建たないため,将来にわたり南北に視界が開けている環境条件のよい敷地に建つ.「13の異なる地形」からなり,すべての住戸が南面し,できるだけ多くの住戸が北にも面するプラン鉄筋コンクリート薄肉ラーメン構造により梁がなくスラブが薄い.
HAMADAYAMA COOPERATIVE HOUSE INTERDESIGN ASSOCIATES ARCHITECTS,TAKESHI MATSUMOTO ARCHITECT
Suginami-ku, Tokyo, Japan 2010

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
Y-3 設計 駒田剛司+駒田由香/駒田建築設計事務所 施工
八生建設
所在地
東京都渋谷区
地下1階,地上3階,全7戸からなる集合住宅.最上階はオーナー住戸.交差する門型の構造フレームにより,外周がオープンとなり,またそのフレームによって空間がゆるやかに分割される.共用階段にはゲートを設けずやや内側に引きをつくることで,前面道路のバス停でバスを待つ人びとにも開放される.
Y-3
KOMADA TAKESHI+KOMADA YUKA / KOMADA ARCHITECTS’ OFFICE Shibuya ku, Tokyo, Japan 2009

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
下目黒ハウス 設計 室伏次郎/スタジオ アルテック
施工 ユニホー辰カンパニー所在地 東京都目黒区
林試の森公園にほど近い敷地に建つ12戸のコーポラティブハウス.重層長屋住宅となっており全住戸の居室は南側に面し,さらにバルコニーもしくは専有庭が付く.北側には玄関と4列の設備スペースを配している.内部はフラットとメゾネットが組み合わさったプラン.
APARTMENT HOUSE IN SHIMOMEGURO MUROFUSHI JIROH/STUDIO ARTEC
Meguro, Tokyo, Japan
2009

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
石双居 設計
浅利幸男/ラブアーキテクチャー
施工
本田工務店
所在地
東京都世田谷区
交通量の多い前面道路から幅員2mの敷地内通路=パッサージュを,馬蹄形の配置をした住棟が囲む,地上3階7戸が入る集合住宅.鉄筋コンクリート組積造.外部との境界は,中の生活が垣間見える格子戸を設け,滑らかに都市と繋いでいる.パッサージュは,路地として緑化,向かい合う住戸の開口はずらし,適度な界隈性がつくられている.
SEKISOKYO YUKIO ASARI/LOVE ARCHITECTURE
Setagaya-ku, Tokyo, Japan
2010