新建築 2010年3月号 東京スカイツリー
Content
: 東京スカイツリー=日建設計 エジプト日本科学技術大学設立プロジェクト=
磯崎新
コンゴ民主共和国アカデックス小学校=
松原弘典
東アフリカ・エコビレッジ+ヨルダン南シューナ地区コミュニティセンター=
渡辺菊眞
ベイサイドマリーナホテル横浜=
吉村靖孝
ベルギースクエア=
岡部憲明
+竹中工務店 三菱地所設計 Yビル=
中山英之
宇都宮大学オプティクス教育研究センター=
山本理顕
villa kanousan+プロジェクト: 瀋陽市方城地区計画=
柄沢祐輔
HOTO FUDO=
保坂猛 特集: リノベーションという選択
YA-CHI-YO=
山下保博
×アトリエ・天工人 BRASS CLINIC=
高橋堅
IZU PHOTO MUSEUM=
杉本博司
カヤバ珈琲=
永山祐子
するところ=
近藤哲雄
Sakura flat=
若松均
山梨市庁舎=
梓設計 建築論壇リ・ロケーションが切り拓く環境思想
アグリー・ダックリン症候群を越えて
三宅理一

作品

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
東京スカイツリー 設計 日建設計
施工 大林組
所在地 東京都墨田区
最高高さが634mに決定し,高さ世界一を目指し建設が進む自立式電波塔.タワー形状は平面的に低層部の三角形から高層部の円形へと変化する。2010年2月16日に高さ300mを超え,2010年夏には第一展望台のある高さ350mまで達し,2011年12月に竣工,2012年春に開業予定を予定している.
TOKYO SKYTREE NIKKEN SEKKEI
sumida, tokyo

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
古民家 リ・ロケーション プロジェクト
YA-CHI-YO 設計 山下保博×アトリエ・天工人
施工 丸富工務店所在地 神奈川県三浦郡葉山町
島根県から100年以上前のふたつの蔵を移築・改築を図ったリ・ロケーションプロジェクト.住宅兼ギャラリーとして使用される.蔵の軸組をパネルでくるんだ構成で、部分的に膨らんだパネルの開口から採光を得る。煉瓦、建具など古材も積極的に再利用している。
YA-CHI-YO YASUHIRO YAMASHITA×ATELIER TEKUTO
Hayama, Miura, Kanagawa, Japan 2009

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
BRASS CLINIC 設計 高橋堅建築設計事務所
施工 杉本興業所在地 千葉県浦安市
テナントビルの1画をクリニックにリノベーション.1mm,3mm,5mm厚の真鍮(BRASS)板に覆われた空間.壁から扉の取手,框など手が触れる部分はすべて真鍮製.床はモルタル,天井と一部の壁は漆喰仕上げ.天井高は2,400mmで統一された.
BRASS CLINIC architects: KEN TAKAHASHI ARCHITECTS
Urayasu, Chiba, Japan
2009

photo: Hiroshi Sugimoto
photo: Hiroshi Sugimoto
IZU PHOTO MUSEUM 設計 新素材研究所 杉本博司+榊田倫之
施工 鹿島所在地 静岡県駿東郡
築5年鉄骨造の個人美術館の移転に伴い,既存躯体を残して写真美術館として全面改修された.写真家である杉本博司氏が設計,北側の坪庭の自然石乱積みも氏自らが積み方を現場にて指示している.
IZU PHOTO MUSEUM NEW MATERIAL RESEARCH LABORATORY Suntou, Shizuoka pref., Japan 2010

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
カヤバ珈琲 設計 永山祐子建築設計
施工 丹青TDC所在地 東京都台東区
木造2階建ての町屋の改修.長い間,喫茶店として谷中の地域で親しまれたが,2006年に閉店.たいとう歴史都市研究会とSCAI THE BATHHOUSEの協力の下再び喫茶店として再生した.天井に張られた黒ガラスに店内が写し出される.
KAYABA COFFEE architects: YUKO NAGAYAMA & ASSOCIATES Taito, Tokyo, Japan 2010

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
するところ 設計 近藤哲雄建築設計事務所
施工 平成建設所在地 東京都墨田区
築40年の工場のリノベーション.鉄骨造の1階を印刷所,木造の2階を地域の子どもたちのためのワークショップなどを行うスタジオとして改修している.内部は小屋組みを露出したり,既存の壁を撤去して気積の大きな空間とし,南側と東側に1,2階にまたがった大きな開口部を設けている.
SURUTOKORO TETSUO KONDO ARCHITECTS Sumida-ku, Tokyo, Japan 2010

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
Sakura flat 設計 若松均建築設計事務所 施工 和田建築
所在地 東京都渋谷区
築35年ほどの雑居ビルのペントハウスを共用廊下も含めてすべて改修.田の字型の既存柱梁(主なスパンは6,800mm×5,310mm)が構成する明快な空間.床は35mm厚のスギ足場を利用.天井高約2,400mm.住戸面積は180m
2
(テラス22.5m
2
含む).既存の未完成感と日常が同居した住まい.
SAKURA FLAT architects: HITOSHI WAKAMATSU ARCHITECT AND ASSOCIATES Shibuya-ku, Tokyo, JAPAN 2010

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
山梨市庁舎 設計 梓設計
施工 フジタ所在地 山梨県山梨市
操業停止した精密機械工場を市が買い取り,市庁舎としてコンバージョンを行った.耐震基準を満たすため,既存建物の外周にプレキャスト・プレストレストコンクリート造のアウトフレームを設置.それにより既存建物のスラブや壁を撤去することが可能になり,自由な空間配置が実現している.
YAMANASHI CITY HALL AZUSA SEKKEI Yamanashi, Yamanashi pref., Japan 2009

提供: 磯崎新アトリエ
image: ARATA ISOZAKI & ASSOCIATES
competition
エジプト日本科学技術大学設立プロジェクト 設計 磯崎新アトリエ
所在地 エジプト アレキサンドリア
2003年より日本とエジプトが協力して進めている科学技術大学設立プロジェクト.840,000m
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の広大な敷地に,ふたつの学部と4つの研究センターから構成される.当選した磯崎新アトリエ案は大屋根の下にキャンパスを配置し,水辺に囲まれた空間.
EGYPT-JAPAN UNIVERSITY OF SCIENCE AND TECHNOLOGY “E-JUST” architects: ARATA ISOZAKI & ASSOCIATES
Alexandria, Egypt

撮影: 慶應義塾大学SFC松原弘典研究室
photo: KEIO UNIVERSITY SFC MATSUBARA HIRONORI LABORATORY
コンゴ民主共和国アカデックス小学校 設計 慶應義塾大学SFC松原弘典研究室
施工 慶應義塾大学SFC松原弘典研究室・現地住民有志所在地 コンゴ民主共和国キンシャサ郊外キンボンド地区
コンゴの地元住民と日本の学生がセルフビルドで建てた小学校.施工から運用,教育に至るすべてを地元住民や教育者,日本の研究チームが協力.これから毎年1棟づつ建設され6年後の竣工を目指す.壁は日干しレンガブロック,小屋組はハサミ型断面の木造トラス構法.
DR CONGO ACADEX PRIMARY SCHOOL architects: KEIO UNIVERSITY SFC MATSUBARA HIRONORI LABORATORY
Kinshasa, DR CONGO
2009

撮影: D環境造形システム研究所
photo: D Environmental Design System Laboratory
東アフリカ・エコビレッジ 設計 渡辺菊眞+D環境造形システム研究所
施工 D環境造形システム研究所+河口尊(天理教営繕部)+キクング村およびチビリ村の孤児たち所在地 ウガンダ共和国カージ村
東アフリカ地域で進めているエコビレッジのモデルハウス.モデルルームは,リビングルーム,ふたつの寝室,キッチン,トイレ,シャワールームから構成.すべて幅300mm×長さ450mm×高さ150mmの土嚢ブロックを積み上げる工法によってセルフビルドで建設されている.
ECOVILLAGE IN THE EAST AFRICAN COMMUNITY KIKUMA WATANABE+D ENVIRONMENTAL DESIGN SYSTEM LABORATORY
Uganda 2010

撮影: D環境造形システム研究所
photo: D Environmental Design System Laboratory
ヨルダン南シューナ地区コミュニティセンター 設計 渡辺菊眞+D環境造形システム研究所
施工 Ali Abu Anzeh Office+D環境造形システム研究所所在地 ヨルダンハシュミット王国南シューナ地区
ヨルダン南シューナー地区に建設された貧困層のためのコミュニティセンター.ヨルダンの伝統建築工法である石造と,土嚢工法,鉄筋コンクリート造を混交して建設された.内部に5.5mスパンの石造アーチが2.5mピッチで連続する.土嚢工法でつくられたドームは地元住民によるセルフビルドでつくられた.
COMMUNITY CENTER IN SOUTH SHOUNA;JORDAN KIKUMA WATANABE+D ENVIRONMENTAL DESIGN SYSTEM LABORATORY
Hashemite Kingdom of Jordan, 2009

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
ベイサイドマリーナホテル横浜 設計 吉村靖孝建築設計事務所
施工 間組所在地 神奈川県横浜市金沢区
根岸湾に面した敷地に,フラットタイプとメゾネットタイプの合計31棟の客室棟を分棟配置したリゾート型ホテル.客室棟はコンテナモジュール(長さ40フィート,高さ8フィート6インチ)でユニット化してつくられた.ユニットは海外の工場で内外装も含めて製造し,海上輸送され現場で設置されている.
BAYSIDE MARINA HOTEL YOKOHAMA YASUTAKA YOSHIMURA ARCHITECTS
kanazawa, Yokohama, Kanagawa
2009

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
ベルギー・スクエア ベルギー大使館+二番町センタービル 設計 岡部憲明アーキテクチャーネットワーク+竹中工務店
設計監修・監理 三菱地所設計(二番町センタービルのみ)施工 竹中工務店所在地 東京都千代田区
ベルギー大使館の建て替え.敷地には大使館棟と事業棟である二番町センタービルが配され,それらと街を繋ぐ広場として,ブルーストーン敷きの広場「プラザ」が配置されている.大使館棟の外壁はライムストーンの目地とプレキャストコンクリート版間の目地幅を等しくし,均一な目地幅で壁面を構成している.
BELGIUM SQUARE(EMBASSY OF BELGIUM IN TOKYO, NIBANCHO CENTER BUILDING) NORIAKI OKABE ARCHITECTURE NETWORK+TAKENAKA CORPORATION Chiyoda, Tokyo, Japan 2010

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
Yビル 設計 中山英之建築設計事務所
施工 工藤工務店所在地 東京都港区
都心の交差点に建つ,三角形の平面をした4階建ての事務所ビル.前面道路の拡幅に伴いガソリンスタンドを廃業,縮小した約25m
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の敷地に新たに建設された.89mm角の無垢の鉄骨柱を構造体としている.1階の床および外構の仕上げ材は前面歩道の舗装材に合わせて選ばれており,敷地内外が連続する.
Y BUILDING HIDEYUKI NAKAYAMA ARCHITECTURE Minatoku, Tokyo, Japan 2009

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
宇都宮大学オプティクス教育研究センター 設計 山本理顕設計工場
施工 浜屋組所在地 栃木県宇都宮市
キャンパスの一画に建つ光学技術の研究のための施設.東立面に1辺95mmの鏡面ステンレスプレートを市松状に配している.プレートは周囲の風景を映し込み,天気や季節によって表情が変化する.また風が吹けば揺らぎ,軽やかな音とともに波紋が広がる.開口部はランダムに配置されている.
UTSUNOMIYA UNIVERSITY CENTER FOR OPTICAL RESEARCH & EDUCATION RIKEN YAMAMOTO & ASSOCIATES, ARCHITECTS Utsunomiya, Tochigi, JAPAN 2010

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
villa kanousan 設計 柄沢祐輔建築設計事務所
施工 アイガー産業所在地 千葉県君津市
鹿野山の斜面に建つ週末住宅.1階に4つ,2階に4つキューブを積み重ねた空間.天井,壁,床の交点から,さらに小さなキューブをえぐりとるその配置はアルゴリズムで定義され,斜面の傾きなど周辺の環境となだらかに連動する.
VILLA KANOUSAN YUUSUKE KARASAWA ARCHITECTS
Kimitsu, Chiba pref., Japan
2010

提供: 柄沢祐輔建築設計事務所
image: YUUSUKE KARASAWA ARCHITECTS
プロジェクト 瀋陽市方城地区計画 設計 柄沢祐輔建築設計事務所
所在地 中華人民共和国遼寧省瀋陽市
中国瀋陽市の中心部に位置する世界遺産の故宮を中心とした大規模都市開発の計画.開発面積は1.2km四方の旧市街全体,約120万m
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に及ぶ.サステナブルなエネルギー効率のよい地下空間を主に利用する大規模都市開発が目指された.計画を統括する大きな軸として,フィボナッチ級数のジオメトリーが立体的に錯綜しながら絡み合うアルゴリズムにより地下空間がデザインされている.
SHENYANG FANGCHENG PROJECT YUUSUKE KARASAWA ARCHITECTS
Shenyang, China ,2010

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
HOTO FUDO 設計 保坂猛建築都市設計事務所
施工 早野組所在地 山梨県南都留郡
富士山の裾野に建つ飲食店「ほうとう不動」.「富士山に浮かぶ雲が着地したような建築」が設計コンセプト.鉄筋コンクリートサンドイッチシェル構造の3次曲面の躯体で,発泡ウレタン(t=60mm)の外断熱.外壁はウレタン塗装.内部は3次曲面の壁面はモルタルの上珪藻土仕上げ.開口部を4方向にあけ自然光を効果的に取り込んでいるため,内部はダウンライトを一切使用していない.
HOTO FUDO architects: TAKESHI HOSAKA ARCHITECTS
minamitsuru, yamanashi-pref, japan 2010