新建築 2012年2月号 すごろくオフィス
Content
木造の生かし方 現代技術へと生まれ変わる伝統木造構法=内田祥哉×木内修
追悼 菊竹清訓
身体全体で思考する建築家=伊東豊雄戦後半世紀を体現した建築家=内藤廣装飾とメタボリズムーー村野と丹下の着目=藤森照信菊竹清訓先生との出会い=遠藤勝勧
主な収録作品:
明治神宮外拝殿 耐震補強工事=木内修ヨーロッパハウス=ADPI+大成建設
集合住宅特集: 重なり合う関係性 ーー複合とリノベーション
矢来町のアトリエ=小川広次Dアパートメント(CASA小治郎)=香川貴範+岸上純子/SPACESPACE+オーノJAPANmaglia jiyugaoka=篠原聡子逗子のアパートメント=K2YT/小池啓介+山本匠一郎呑川緑道の集合住宅=若松均観月橋団地再生計画=都市再生機構+馬場正尊+星田逸郎 他THE SHARE=リビタ+ジーク海老塚の段差=403architecture [dajiba]木造賃貸アパート再生ワークショップ2011=木造賃貸アパート再生ワークショップすごろくオフィス=大建met+なわけんジムメタル シャッターハウス=坂茂プロジェクト: MINA GARDEN十日市場=ナイス・飯田善彦・岡山建設CIRCO=渡辺真理+木下庸子+山口智久/設計組織ADH北浦和VALLEY=川辺直哉四谷の集合住宅=北山恒凸ハウス=柳澤潤都立大学テラス=室伏次郎プロジェクト: プラウドタワー東雲キャナルコート=大林組記事: 集合住宅の立ち位置 社会正義から個々の物語へ=大月敏雄

作品

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
明治神宮外拝殿 耐震補強工事 設計 木内修建築設計事務所
施工 清水建設所在地 東京都渋谷区
1958年に建設された外拝殿の耐震補強.補強にあたっては,鉄骨などを使わずに,既存の外観を保ちながらも,震度6強程度の大地震に耐える強度が求められた.限界耐力計算による耐震診断および耐震補強設計を行い,実験によって効果が検証された伝統技術によって補強が行われた.
CONSTRUCTION FOR EARTHQUAKE PROOFING REINFORCEMENT OF MEIJI JINGU GEHAIDEN OSAMU KIUCHI ARCHITECT & ASSOCIATES Tokyo, Japan 2011

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
ヨーロッパハウス コンセプトデザイン・基本計画 ADPI Ingénierie (ADPI)設計 大成建設一級建築士事務所/ADPI
施工 大成建設所在地 東京都港区
欧州連合(EU)の日本における代表部にあたる施設.住居棟とオフィス棟からなる.近接する2棟との間にはセントラルガーデンを配置.ヨーロッパ基準をクリアする環境性能を持つ.住居棟はドイツ製の0.7mm厚のブロンズ銅板で覆われ,オフィス棟は自然発色を促進させた緑青銅板で覆われている.直交壁効果を利用した鉄筋コンクリート壁構造によって自由な開口が可能になり,ランダムに配置された各住戸のロッジア(バルコニー空間)がファサードに表れる.
EUROPA HOUSE ADPI/TAISEI DESIGN PLANNERS ARCHITECTS AND ENGINEERS
Tokyo, Japan
2011

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
矢来町のアトリエ 設計 小川広次建築設計事務所
施工 鹿島建設所在地 東京都新宿区
美術家のアトリエおよび住戸,8戸の賃貸住宅からなり,アトリエを住戸が覆う構成としている.地下1階から2階まで貫く鉄筋コンクリート造の壁柱と,周囲の鉄骨束柱で支え,層の間にスリットをめぐらせている.
ATELIER IN YARAICHO KOJI OGAWA ARCHITECT & ASSOCIATES
Tokyo, Japan
2011

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
Dアパートメント(CASA小治郎) 設計 香川貴範+岸上純子/SPACESPACE+オーノJAPAN
施工 パナホーム所在地 大阪府
大阪府に建つ,賃貸住戸5戸と店舗からなる共同住宅.2m幅の細長い部屋を折り曲げる平面操作から住戸のバリエーションをつくる.鉄骨造3階建て.共用階段と専有のブリッジが錯綜する中庭を持つ.
D-APARTMENT(CASA KOJIRO) TAKANORI KAGAWA+JUNKO KISHIGAMI / SPACESPACE+OHNO JAPAN
Osaka, Japan
2011

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
maglia jiyugaoka 設計 篠原聡子/空間研究所
施工 平成建設
所在地 東京都世田谷区
卍型の構造壁で平面を仕切った,4戸のメゾネットからなる長屋.2階は寝室と半屋外の空間を持つプライベートな箱.1階ではフルハイトのガラスサッシを後退させ,庭をつくる.建物境界に設置されたステンレスメッシュを通して住まい手の生活が周辺の景色に組み込まれる.
MAGLIA JIYUGAOKA SATOKO SHINOHARA / SPATIAL DESIGN STUDIO
Tokyo, Japan
2011

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
逗子のアパートメント 設計 K2YT/小池啓介+山本匠一郎
施工 キクシマ所在地 神奈川県逗子市
山林と住宅地に挟まれた敷地に建つ集合住宅.1階の鉄筋コンクリート造の基壇に,2階の鉄骨造の家型が乗る構成.1階住戸はオーナーがボランティア活動や小さな音楽会などを行う多目的スペースなど住戸とは違う機能が入る.
ZUSHI APARTMENT K2YT/KEISUKE KOIKE + TAKUICHRO YAMAMOTO
Kanagawa, Japan
2011

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
呑川緑道の集合住宅 設計 若松均建築設計事務所
施工 白石建設所在地 東京都世田谷区
都内の南北に長い敷地に建つ共同住宅.15戸の賃貸住戸が入る.各住戸の4面採光・通風の確保のため,住戸単位でボリュームを分節し,ずらして配置している.構造は耐震壁付きラーメン構造で,開口の大きさや位置の自由度が高く,開放的な室内をつくる.
NOMIKAWA FLAT HITOSHI WAKAMATSU ARCHITECT AND ASSOCIATES
Tokyo, Japan
2011

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
観月橋団地再生計画 事業計画 都市再生機構企画・設計 馬場正尊/Open A(Aエリア) 星田逸郎/星田逸郎空間都市研究所+DGコミュニケーションズ(Bエリア)
所在地 京都府京都市
設計からマーケティングまでをパッケージとした企画提案を民間から公募し,選定された2者による,1960年代に建設された公団住宅の改修計画.全14棟のうち4棟の撤去に伴い,既存住民の別棟への住み替えを行いながら,全400戸の内,空き住戸100戸を段階的に改修する.
RESIDENTIAL COMPLEX STOCK RENEWAL AT KANGETSUKYO UR + OPEN A + ITSURO HOSHIDA ARCHITECT’S & URBAN PLANNER’S OFFICE + DG COMMUNICATIONS Kyoto, Japan 2011

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
THE SHARE 総合企画・監修 リビタ設計 ジーク
施工 佐藤秀 ジーク所在地 東京都渋谷区
原宿駅近くに建つオフィスとシェア住居,商業店舗の複合施設.築48年の企業寮を改修した.ラウンジやキッチンなどがあるシェアスペースは建物全体の耐震補強をすることで躯体間仕切壁,外部キャットウォークの新設によってPSを撤去し見通しのきく空間をつくった.
THE SHARE REBITA ZYCC Tokyo, Japan 2011

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
海老塚の段差 設計 403architecture [dajiba]
施工 永住企画所在地 静岡県浜松市中区
築28年の賃貸集合住宅の一室の改修.半分の床を取り払うことで800mmの段差をつくり,一部の床を再度同じ高さで設け,床下収納とベランダへの動線を生んだ.改修にあたっては,設備をのぞき,ホームセンターで入手できる一般的な材料を中心に使用.
THE DIFFERENCE OF EBITSUKA 403ARCHITECTURE [DAJIBA]
Shizuoka, Japan
2011

再生ワークショップ2011
撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
木造賃貸アパート再生ワークショップ2011 設計 木造賃貸アパート再生ワークショップ施工 木造賃貸アパート再生ワークショップ+高木工務店(あさひハイツ)+オリエンタル産業(Rハイム)
所在地 東京都調布市
学生有志による木造賃貸アパートを再生するプロジェクト.部分的な改修を積み重ねることによって物件価値を上げていくことを目指す.そのアイデアをレシピという形でまとめ,オーナーや不動産業者自身による改修を支援する.
MOKU-CHIN APARTMENT RE-DESIGN WORKSHOP 2011 MOKU-CHIN APARTMENT RE-DESIGN WORKSHOP
Tokyo, Japan
2011

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
すごろくオフィス 設計 大建met なわけんジム
施工 なかむら工務店所在地 岐阜県岐阜市
中古海運コンテナを再利用した事務所兼住宅.鋼管フレームを主要部材とし,その中にコンテナを納めることでコンテナ自体には構造負担をかけないため,建築基準法に適合し,大きく開口を設けることができる.1階にオフィス,2階に食堂・キッチンが入り,3階を将来的に住宅として使用する.
SUGOROKU OFFICE MET ARCHITECTS / NAWAKENJI-M Gifu, Japan 2011

撮影: Micheal Moran
photo: Micheal Moran
メタル シャッター ハウス 設計 坂茂建築設計 SHIGERU BAN ARCHITECTS AMERICA
施工 Quattro Construction Management, LLC所在地 米国・ニューヨーク
8戸のメゾネット住戸,ギャラリー,ペントハウスからなるニューヨークの集合住宅.空港の飛行機収納庫に使われている水平折戸にLow-eペアガラスを組み込み,南北面の開口に使用.北側道路に面するファサードにはテラスの外にパンチングメタル製のシャッターを設置,メゾネット二層分を全面開放できる.
METAL SHUTTER HOUSE architects: SHIGERU BAN ARCHITECTS TOKYO + SHIGERU BAN ARCHITECTS AMERICA
New York, USA
2010

提供: 飯田善彦建築工房
image: courtesy of IIDA ARCHISHIP STUDIO
MINA GARDEN 十日市場 マスターアーキテクト 飯田善彦 小林克弘
設計・施工 ナイス・飯田善彦建築工房・岡山建設設計建設共同企業体所在地 横浜市緑区
環境に配慮した住環境を町並みからつくり,モニタリングシステムを通して実証データを取得,研究に役立てる.計画地の高低差のある地形を応用し,中央にコモンスペースのある宅地を造成.住戸には土間テラスなどの住戸内外を繋ぐ中間領域を取り入れ,住まい手同士の繋がりを促す.
MINA GARDEN TOKAICHIBA architects: NICE, IIDA ARCHISHIP STUDIO, OKAYAMAKENSETSU J.V.
Yokohama, Japan
2011

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
CIRCO 設計 渡辺真理+木下庸子+山口智久/設計組織ADH
施工 白石建設
所在地 東京都世田谷区
東京都世田谷区に建つ,12戸で構成された共同住宅.居室の中央に対角線状に壁体を通し,壁構造でありながら大きくランダムな開口を実現している.居室に通した壁体を活用し,ロフトを持つ1階とクロス・メゾネット型の2,3階をつくり出している.外壁は鉄筋コンクリート打ち放しの上撥水仕上げ.外断熱湿式工法を採用.
CIRCO ADH ARCHITECTS
Tokyo, Japan
2011

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
北浦和VALLEY 設計 川辺直哉建築設計事務所
施工 佐藤秀所在地 埼玉県さいたま市
JR北浦和駅から徒歩数分の住宅街に建つ,14戸の賃貸集合住宅.3階建て壁式鉄筋コンクリート造.周辺環境に合わせて高さ約10mのボリュームを5つに分割し,共用部のスペースを生み出している.
KITAURAWA VALLEY NAOYA KAWABE ARCHITECT AND ASSOCIATES
Saitama, Japan
2011

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
四谷の集合住宅 設計 北山恒 + architecture WORKSHOP
施工 小川建設所在地 東京都新宿区
メゾネット8戸からなるコーポラティブハウス.平面を耐力壁によって田の字型に分割し,各階に4世帯が居住.外壁の大部分を占める外周部サッシをインフィルとして選択でき,住まい手の意思が建物の外観を決定する.
YOTSUYA APARTMENTS KOH KITAYAMA + ARCHITECTURE WORKSHOP
Tokyo, Japan
2012

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
凸ハウス 設計 柳澤潤/コンテンポラリーズ
施工 新発田建設所在地 東京都杉並区
東京都杉並区に建つ,長屋形式のコーポラティブハウス.5戸で構成される鉄筋コンクリート造の地下1階,地上2階建て.建物の中心に設置された設備コアの周囲を,住戸が螺旋状に取り巻く構成.外壁の構造負担の軽減により,ランダムで大きな外壁の開口が可能となっている.各住戸でそれぞれFL,開口の高さが異なり,それに合わせ目地も螺旋状に現している.
DECO HOUSE JUN YANAGISAWA / CONTEMPORARIES
Tokyo,Japan
2011

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
都立大学テラス 設計 室伏次郎/スタジオアルテック
施工 興建社所在地 東京都目黒区
東横線都立大学駅付近に建つ13戸のコーポラティブハウス.南北2カ所で接道する敷地形状に合わせて敷地内通路をつくるように建物を配置した.敷地通路内側にPSを配置し,配管更新やメンテナンスしやすいようにしている.
TORITUDAIGAKU APARTMENT HOUSE MUROFUSHI JIROH/STUDIO ARTEC
Tokyo, Japan
2011

画像提供: 大林組
image: courtesy of OBAYASHI CORPORATION
プロジェクト プラウドタワー東雲キャナルコート 設計 大林組一級建築士事務所
施工 大林組 所在地 東京都江東区
東京都東雲の湾岸エリアで施工中の,超高層タワーマンションと付属駐車場,認可保育園からなる計画.総戸数600戸の52階建て.150N/mm
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の超高強度コンクリートを使用した柱や,液状化対策,保安電源の確保や水備蓄タンクの設置などの地震対策を行う.2013年3月竣工予定.
PROUD TOWER SHINONOME CANAL COURT OBAYASHI CORPORATION
Tokyo, Japan
2013