新建築 2014年2月号 京都の集合住宅
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egota house B=坂本一成京都の集合住宅 NISHINOYAMA HOUSE=妹島和世Dragon Court Village=Eureka朱合院=浅利幸男/ラブアーキテクチャーNOIE=YUUA建築設計事務所西麻布の集合住宅=SALHAUSoggi=山口誠デザイン月島荘=三菱地所設計下馬の集合住宅=小杉栄次郎+内海彩/KUS+team Timberizeソーラータウン府中=野沢正光建築工房
特集: 既存への挑戦 ーー リノベーションによる新しい住空間への関わり方
論文: 関係性のリ・デザイン リノベーションとシェア居住で住宅ストックを活かすための課題と可能性=田村誠邦不動前ハウス=常山未央並木橋の連続居=藤原徹平シェアプレイス東神奈川99=リビタ+リライトデベロップメントskyroom=成瀬猪熊建築設計事務所SI REFORM 1=木下昌大カスタマイズURプロジェクト=Open A+R不動産toolbox京都女子大学×UR 洛西NT団地リノベーションプロジェクト=京都女子大学生活造形学科+都市再生機構慶應義塾大学 日吉寄宿舎南寮リノベーション=三菱地所設計諏訪2丁目住宅建替え計画=松田平田設計

作品

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
egota house B 設計 アトリエ・アンド・アイ 坂本一成研究室
施工 白石建設所在地 東京都中野区
賃貸集合住宅とオーナーの個人住宅の4棟からなる都市型集合住宅計画の第2期.直方体のボリュームや各住戸が外部に独立したアクセスを持つこと,半地下1層,地上3層という構成はA棟より踏襲しつつ,下階も交差メゾネットとすることで全方向に開口を持つ住戸を増やし,壁面から張り出したテラスを介した室内へのアプローチとするといった変更を加えた.
EGOTA HOUSE B ATELIER AND I, KAZUNARI SAKAMOTO ARCHITECTURAL LABORATORY
Tokyo, Japan
2013

提供: 妹島和世建築設計事務所
photo: KAZUYO SEJIMA & ASSOCIATES
京都の集合住宅 NISHINOYAMA HOUSE 設計 妹島和世建築設計事務所
施工 鴻池組所在地 京都府京都市
京都市の北西部に位置する閑静な住宅地に建つ全10住戸の賃貸集合住宅.周りの戸建て住宅に似たスケールの勾配屋根,21枚の連なりにより,大きな寄せ棟型の屋根をつくる.75mm角の無垢の鉄骨柱と幅75mm,成150mmの梁の上に,木の屋根が架かる混構造.屋根は複数の部屋をまたいで架けられる.
KYOTO APARTMENTS (NISHINOYAMA HOUSE) KAZUYO SEJIMA & ASSOCIATES
Kyoto, Japan
2013

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
Dragon Court Village 設計 稲垣淳哉+佐野哲史+永井拓生+堀英祐/Eureka
施工 太啓建設所在地 愛知県岡崎市
愛知県岡崎市の郊外に建つ9戸からなる集合住宅.低密度な住宅地に建つことから,建物を敷地中央に,駐車場をその周囲に配置することで隣地へと風が抜けるように計画.また構造・環境を一体的に考えて設計された,1階には各住戸,1.5〜2間角程度のボックスを間隔を空けて配置,その上に水平方向に伸びるチューブ状のボリュームを組み合わせる構成により,入居者が屋外空間や風,光を共有する.
DRAGON COURT VILLAGE JUNYA INAGAKI+SATOSHI SANO+TAKUO NAGAI+EISUKE HORI / EUREKA
Aichi, Japan
2013

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
朱合院 設計 浅利幸男/ラブアーキテクチャー
施工 白石建設 所在地 東京都武蔵野市
通り抜け通路を介したボリュームからなる12戸の賃貸住宅で地下には店舗が入る.通り抜け通路やその上の空間は住人や通路を行き来する人などが同時に存在し得る場となる.交通量の多い幹線道路に対して,遮断しつつプライバシーを守るために煉瓦透かし積みの開口を持つ.室内は生活の質を高めるため,インテリアをつくりこんだ.
SHUGOIN LOVE ARCHITECTURE
Tokyo, Japan
2013

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
NOIE 設計 YUUA建築設計事務所
施工 渡邊建設所在地 東京都中野区
中野区若宮の旗竿敷地に建つ11戸からなるコーポラティブハウス.全住戸接地型トリプレットで,住人が階高を自由に決定できるように計画した.各住戸はスケルトンの壁を共有して建ち,上下階での音の問題,設備配管計画の合理化に配慮した独立性の高い住戸形式となっている.各住戸は屋上にルーフテラスを持ち段状に連続する.1階にはフリースペースを設け外部としても内部としても利用できるようにした.
NOIE YUUA ARCHITECTS AND ASSOCIATES
Tokyo, Japan
2012

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
西麻布の集合住宅 設計 SALHAUS
施工 青木工務店所在地 東京都港区
西麻布に建つ賃貸10戸,オーナー住戸1戸からなる集合住宅.二項道路と位置指定道路のふたつに接道する.南北にボリュームを分けて中央にプライベートテラスを配し空隙をつくり天空率を利用することで,道路からの斜線制限が緩和されている.各住戸の前にステンレスメッシュによって囲われたプライベートテラスを配置し,街,共有部,専有部が連続するように計画をした.
NISHIAZABU APARTMENT SALHAUS
Tokyo, Japan
2013

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
oggi 設計 山口誠デザイン
施工 TH-1所在地 東京都文京区
東京都文京区に建つ7住戸からなる集合住宅.バルコニーなどの屋外空間をボリューム内部に取り込み,オープンルームとして居住スペースに隣接して配置.オープンルームの扉や窓をエキスパンドメタルやガラス開口部とすることで,住戸間や建物内外に,視線と風が抜けるように計画されている.
OGGI MAKOTO YAMAGUCHI DESIGN
Tokyo, Japan
2013

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
月島荘 設計 三菱地所設計
施工 東急建設所在地 東京都中央区
月島に建つ,ビジネスパーソンのためのシェア企業寮.総個室数は644室.個室階2フロアを「1クラスター」とし,複数企業で共用部をシェアする仕組み.1階は全体の共用部とし,一部は地域にも開放されている.各棟の北側には,2層メゾネットのクラスター内共用部が積層する.
TSUKISHIMA-SOU MITSUBISHI JISHO SEKKEI
Tokyo, Japan
2013

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
下馬の集合住宅 設計 小杉栄次郎+内海彩/KUS+team Timberize
施工 大和ハウス工業所在地 東京都世田谷区
東京都世田谷区に建つ,軸組工法の5階建て,木造1時間耐火建築物の集合住宅.2003年からプロジェクトがはじまり,部材認定,実験,検証などを重ねた.1階は鉄筋コンクリート造の店舗,2~5階が各階1住戸の集合住宅.耐火被覆不要で木現しの斜材が水平力を,集成材のフラットスラブと柱が鉛直力を支える.
SHIMOUMA APARTMENT KUS+TEAM TIMBERIZE
Tokyo, Japan
2013

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
ソーラータウン府中 設計 野沢正光建築工房
施工 相羽建設所在地 東京都府中市
都有地を活用する長寿命環境配慮住宅モデル事業として,高い耐久性,省エネルギー性,中小工務店の参画を条件とし,プロポーザルにより設計+施工者が採択された.全住戸にOMソーラーシステムを採用し,暖房,給湯,換気,発電を行う.竣工販売後の住戸(5人家族)の実測では,年間の電気消費量は約180kWh,都市ガスの消費量は約100m3と大変低い値を示している.住戸群の中央に設けたコモンは,16戸の戸建住宅群それぞれの敷地の1割程度に地役権を設定することで生まれた共有部であり,住人が通行,交流できる.
SOLAR TOWN FUCHU MASAMITSU NOZAWA BUILDING WORKSHOP
Tokyo, Japan
2013

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
不動前ハウス 設計 常山未央/mnm
施工 北原隆志/N.F.C所在地 東京都品川区
東京都品川区に建つ,築37年,戸建て住宅を7人が住まうシェアハウスへリノベーション.全面が幅約2.5mの路地であり再建築不可物件であることから,躯体には手を加えず内装のみ改修.1階が鉄骨造,2階が木造と異なる構造を持つことを生かして,1階にはまちへと開く大きなリビングを,2階には既存の開口部を入居者で共有するため,寝室の周囲に縁側のように機能する廊下が設けられている.
FDM HOUSE MIO TSUNEYAMA / MNM
Tokyo, Japan
2013

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
並木橋の連続居 設計 フジワラテッペイアーキテクツラボ
施工 工藤工務店所在地 東京都渋谷区
築53年の集合住宅の改修.もともと家族3人で住んでいた30m
2
の301号室と,あらたに借り増した同面積の隣室(302号室)を,バルコニーの間仕切り壁に開口をつくることで繋げた.開口回りは鉄骨で補強している.
CONSECUTIVE RESIDENCES OF THE NAMIKI-BASHI FUJIWARA TEPPEI ARCHITECTS LABO
Tokyo, Japan
2013

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
シェアプレイス東神奈川99 総合企画・設計 リビタ設計 リライトデベロップメント
施工 京王建設所在地 神奈川県横浜市神奈川区
神奈川県横浜市神奈川区に建つ.企業の独身寮,家族用社宅として使用されていた建物を,99室のシェアハウスへと改修.壁式とラーメンという異なる構造形式の2棟が持つ既存のプランニングに,これまでのシェアハウスの運営で培ったノウハウを生かして,大・中・小さまざまな共用部を配置,入居者の行動を促すような空間づくりがされている.
SHARE PLACE HIGASHIKANAGAWA 99 REBITA, REWRITE DEVELOPMENT
Kanagawa, Japan
2013

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
skyroom 設計 成瀬・猪熊建築設計事務所
施工 M-CUBE所在地 神奈川県横浜市港北区
神奈川県横浜市に建つ,築29年のマンションの改修.既存の梁型を手掛かりに,その天井の範囲をそれぞれ塗り分けた.収納やキッチンなどの用途を木製ボックスによって分割し,梁型とずらして設えている.
SKYROOM NARUSE INOKUMA ARCHITECTS
Kanagawa, Japan
2013

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
SI REFORM 1 設計 木下昌大/KINO architects
施工 カナエルiリフォーム所在地 神奈川県川崎市宮前区
築25年の戸建て住宅を,2世帯が暮らすための家へ改修.神奈川県でLPガスを供給するカナエルiリフォームが構築した「iPDCAサイクル」により,住宅診断から未来を見通した改修プラン,施工,アフターケアまでをシステム化する.既存開口位置を変えず外周部からインフィルを独立させ,外側を通路とした.
SI REFORM 1 MASAHIRO KINOSHITA / KINO ARCHITECTS
Kanagawa, Japan
2013

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
カスタマイズURプロジェクト 設計 Open A+R不動産toolbox
施工 日本総合住生活 多摩住宅サービス所在地 東京都中央区,世田谷区,品川区
UR都市機構とR不動産が共同企画した,住人が自由にカスタマイズでき,引っ越す際の原状回復義務がない壁「フリーウォール」を持つ賃貸住宅.立地が異なる3カ所で実施.DIY初心者をサポートするR不動産toolboxも連携する.
CUSTOMIZE UR PROJECT Open A + TOOLBOX
Tokyo, Japan
2013

洛西NT団地リノベーションプロジェクト
撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
京都女子大学×UR 洛西NT団地リノベーションプロジェクト 設計 京都女子大学生活造形学科+都市再生機構
施工 日本総合住生活所在地 京都府京都市西京区
京都府京都市にある,洛西ニュータウンの住戸のリノベーション.URと京都女子大学の学生が共同し,学生内でコンペをし,実施案を決めた.対象は境谷東団地と竹の里の2団地で全8戸.団地の高齢化に対して,世代ミックスを行うため,若い世代の家族が入居したくなるように,間取りや水回りを中心に改修を行った.
KYOJO×UR RENOVATION PROJECT IN RAKUSAI NEW TOWN KYOTO WOMEN’S UNIVERSITY+UR
Kyoto, Japan
2013

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
慶應義塾大学 日吉寄宿舎南寮 リノベーション 設計 三菱地所設計
施工 清水建設所在地 神奈川県横浜市港北区
谷口吉郎によって1939年に設計された,慶應義塾大学日吉寄宿舎のリノベーション.北寮,中寮,南寮,浴場の4棟からなり,今回改修されたのは南寮のみ.オリジナルから変更が加えられていたサッシや老朽化が進んでいた外壁タイルを図面をもとに現代の製法で復元し,外観を保存する一方,設備や間取りを現代のライフスタイルに合わせて変更した,内部壁で耐震補強も行われた.
KEIO UNIVERSITY HALL OF RESIDENCE HIYOSHI MITSUBISHI JISHO SEKKEI
Kanagawa, Japan
2012

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
諏訪2丁目住宅建替え計画 設計 松田平田設計
施工 三井住友建設所在地 東京都多摩市
多摩ニュータウンの開発初期である1971年に建設された5階建て23棟630戸からなる団地の建て替えで,耐震性の確保,老朽した設備の更新,バリアフリーに対応するよう計画された.建て替え後は,7棟1,249戸からなり新規居住者を含めた約3,000人が居住する.各棟の階構成は最大で14階とし,敷地中央部で高く,周囲に接する周縁部の高さを抑え多摩丘陵の緑地起伏と調和する緩やかな起伏のシルエットとした.
REBUILDING OF SUWA NICHOME APARTMENT MHS
Tokyo, Japan
2013