新建築 2016年1月号 直島ホール
Content
=三分一博志
【対談】 プロジェクトのつくりかた 領域を超えて場を提案する新たな手法
=長坂常×塩浦政也・坂本隆之・安田啓紀(NIKKEN ACTIVITY DESIGN lab)
【インタビュー】 歩いて街を体験する 個のデザインの集積から読み解く都市
=浅子佳英(インテリアデザイナー,建築家)×安藤僚子(インテリアデザイナー)
主な収録作品:
直島ホール+直島の家 – またべえ -=三分一博志建築設計事務所construction site: エストニア国立博物館=DORELL.GHOTMEH.TANE / ARCHITECTSパークアクシスプレミア南青山=NIKKEN ACTIVITY DESIGN lab+三井住友建設プロジェクト: 東京メトロ銀座線デザインマネジメント+Post 2020 Grand Design=NIKKEN ACTIVITY DESIGN labM邸=中村竜治建築設計事務所お米や=長坂常/スキーマ建築計画HAGISO/hanare(丸越荘)=宮崎晃吉/HAGI STUDIOBOOK AND BED TOKYO=SUPPOSE DESIGN OFFICE上総喜望の郷 おむかいさん=仲俊治・宇野悠里/仲建築設計スタジオ+宇野哲生/宇野哲生アトリエ上島町の介護付有料老人ホーム クルーヴ くすのき・萱島=香川貴範+岸上純子/SPACESPACE記事: アーツ前橋展覧会 ここに棲む ― 地域社会へのまなざし鋸南町都市交流施設・道の駅 保田小学校=N.A.S.A.設計共同体アストラムライン新白島駅=小嶋一浩+赤松佳珠子/CAt+パシフィックコンサルタンツCapitaGreen=伊東豊雄建築設計事務所+竹中工務店+RSP Architects Planners & Engineers小松精練ファブリックラボラトリー fa-bo+相合家具デザインラボ=隈研吾建築都市設計事務所

作品

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
直島ホール 設計 三分一博志建築設計事務所 施工 鹿島建設
所在地 香川県香川郡直島町
直島の本村地区に建つ体育館や島の伝統芸能である直島女文楽の上演などさまざまな使い方のできるホールと地元の人が集まるための集会所,庭園で構成される施設.ホールは入母屋の屋根に風穴を開け,直島特有の南から吹く風を利用している.直島の風土から導かれた入母屋と寄棟,ふたつの屋根が集落に溶け込むように建っている.
NAOSHIMA HALL SAMBUICHI ARCHITECTS Kagawa, Japan 2015

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
直島の家 – またべえ – 設計 三分一博志建築設計事務所
施工 リンケン 建築工房おおやま所在地 香川県香川郡直島町
直島本村地区の民家を改修・増築して民家/ゲストハウスとして運用するプロジェクト.母屋(改修)と離れ(増築)と苔庭で構成される.直島の本村集落に多く見られる,南北にふたつの庭があり間が縁側と続き間になっている形式を継承している.
HOUSE IN NAOSHIMA – MATABE – SAMBUICHI ARCHITECTS
Kagawa, Japan
2015

撮影: Arp Kam(ERM)
photo: Arp Kam(ERM)
construction site エストニア国立博物館 設計 DORELL.GHOTMEH.TANE / ARCHITECTS
施工 OÜ Fund Ehitus所在地 エストニア・タルトゥ市
エストニアの東部,タルトゥ市での国立博物館の新築プロジェクト.2006年に国際コンペが開かれDORELL.GHOTMEH.TANE / ARCHITECTSが最優秀賞を受賞,2016年9月開館予定.ソ連時代につくられた空軍基地跡地の滑走路を延長するようなかたちで幅70m,全長350mのボリュームを配置.屋根勾配3.1%で軒高が14~0mまで変化し,地面と一体化していく.
ESTONIAN NATIONAL MUSEUM DORELL.GHOTMEH.TANE / ARCHITECTS
Tartu, Estonia
2016

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
パークアクシスプレミア南青山 アクティビティデザイン NIKKEN ACTIVITY DESIGN lab
設計施工 三井住友建設所在地 東京都港区
南青山に建つ地上7階建ての高級賃貸マンション.タワー型マンションとは異なる価値付けを行うべく,NADは低層型集合住宅での暮らしにおける望ましいユーザー経験を導き出し,外装,エントランス,共用部廊下,ペントハウスのあり方を提案している.
ParkAxisPREMIER MINAMI AOYAMA NIKKEN ACTIVITY DESIGN lab SUMITOMO MITSUI CONSTRUCTION
Tokyo, Japan
2015

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
M邸 設計 中村竜治建築設計事務所
施工 冬木工業所在地 東日本
外構・建物・内装でそれぞれ異なる設計者が設計を手がけた住宅で,建物を中村竜治氏が担当.躯体はコンクリート打ち放しで,外壁や内装が躯体に即物的に取り付くことで,設計意図や意味のまとまり,建築設計区分を解きほぐす.
HOUSE M RYUJI NAKAMURA & ASSOCIATES
Japan
2015

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
お米や 設計 長坂常/スキーマ建築計画
施工 todo所在地 東京都品川区
戸越銀座商店街から分岐した約300mの小さな商店街の一角に建つおにぎり屋.築40年程の自宅兼店舗の木造で,商店街の活性化を願う施主が八百屋だった店舗部分(1階の一部)約5坪の面積のみを改修した.新たに加えるのではなく既存のものを引き,研磨を繰り返して柱や梁を刷新させる手法.
OKOMEYA SCHEMATA ARCHITECTS
Tokyo, Japan
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
HAGISO/hanare(丸越荘) 設計 宮崎晃吉/HAGI STUDIO 施工 ルーヴィス/富士ソーラーハウス所在地 東京都台東区
HAGISO: 東京都台東区谷中の木造密集地域に建つ築60年の木造アパートのリノベーション.ギャラリーやカフェ,レンタルルーム,ショップ,設計事務所などさまざまなプログラムが入る「最小文化複合施設」として再生.hanare(丸越荘): 「町全体を大きなホテルに見立てる」というコンセプトの元に,HAGISOから少し離れた場所にある古い木造アパートを改修して宿泊施設とした.宿泊客はHAGISO2階にあるレセプションで受け付けをしてから,hanareへ行く.町中にあるコンテンツ(銭湯・お稽古教室など)を有効活用している.
HAGISO / HANARE ( MARUKOSHI – SO ) MITSUYOSHI MIYAZAKI / HAGI STUDIO Tokyo, Japan 2015

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
BOOK AND BED TOKYO 設計 SUPPOSE DESIGN OFFICE
施工 セットアップ所在地 東京都豊島区
池袋駅西口すぐの商業ビル7階,空フロアを利用して計画された30床の簡易宿所.宿泊者を眠りへと誘うツールとして約1,700冊の本が並べられた本棚の奥にベッド空間が配置されている.躯体にはほぼ手を加えず本棚とベッドが一体となった家具を設置し,水回りを増やすことで宿泊施設へと転用している.
BOOK AND BED TOKYO SUPPOSE DESIGN OFFICE
Tokyo, Japan
2015

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
上総喜望の郷 おむかいさん 設計 仲俊治・宇野悠里/仲建築設計スタジオ
監修 宇野哲生/宇野哲生アトリエ所在地 千葉県木更津市
知的障害者施設の拡張計画。入居者それぞれに個室を設け、各個室を繋げる共用部では、屋根と柱が一体となった25個の「傘ユニット」の連なりによって構成される。空間の一体感は保ちながらも、バリエーションを持った居場所をつくり出すことで、住空間としての充実を図る。
HOUSES FOR THE PEOPLE WITH INTELLECTUAL DISABILITIES NAKA ACHITECTS’ STUDIO
Chiba, Japan
2015

クルーヴ くすのき・萱島
撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
上島町の介護付有料老人ホーム クルーヴ くすのき・萱島 設計 香川貴範+岸上純子/SPACESPACE 施工 パナホーム
所在地 大阪府門真市
50の個室を有する民間運営の2階建て介護付有料老人ホーム.入居者は介護や食事などのサービスを受け生活する.食堂・機能訓練室などパブリックな場は積極的に開口を設けて外部との接続を図り,天井面は切妻型を連続させて高さと開放感を確保する.壁・天井はシナ合板を用いるなど木質空間をつくり出す.
NURSING HOME IN KAMISHIMA-CHOU TAKANORI KAGAWA+JUNKO KISHIGAMI/SPACESPACE
Osaka, Japan
2015

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
鋸南町都市交流施設・道の駅 保田小学校 設計 N.A.S.A.設計共同体
施工 東海建設所在地 千葉県安房郡鋸南町
2014年度で廃校した小学校跡地を都市交流施設として再活用.プロポーザルでarchitectureWORKSHOP,空間研究所,設計組織ADH,NASCAからなるN.A.S.A.設計共同体が採択され,それぞれ縁側・校舎1階公共スペース,浴室,宿泊室・外構,産直市場を担当.また,それぞれが教授を務める日本女子大学,法政大学,早稲田大学の研究室が鋸南町の街づくりを考える任意団体「ようこそ鋸南」に参加,本プロジェクトをはじめとするさまざまな活動に取り組んでいる.
MICHI-NO-EKI HOTA SHOGAKKO N.A.S.A.ARCHITECTS JV
Chiba, Japan
2015

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
アストラムライン新白島駅 設計 小嶋一浩+赤松佳珠子/CAt パシフィックコンサルタンツ
施工 フジタ・栗本建設工事共同企業体 河崎組 プランニング三誠所在地 広島県広島市中区
JR山陽本線・山陽新幹線と,アストラムラインの結節点に誕生した新駅.アストラムライン新白島駅の駅舎は国道54号の中州につくられた.円筒シェルは9mm厚鋼板が白く塗装され,地上と地下が一体化した空間が広がる.丸く開けられた大小のトップライトからは自然光が落ちる.
ASTRAMLINE SHIN-HAKUSHIMA STATION KAZUHIRO KOJIMA + KAZUKO AKAMATSU / CAt PACIFIC CONSULTANTS
Hiroshima, Japan
2015

撮影: 中村絵
photo: KAI NAKAMURA
CapitaGreen 設計 伊東豊雄建築設計事務所 竹中工務店 RSP Architects Planners & Engineers
施工 竹中工務店所在地 138 Market Street, Singapore
シンガポールのビジネス中心地区「ラッフルズプレイス」に位置する地上40階建てのオフィスビル。各フロアに緑化スペースを設け、ビルの外観の55%が植物で覆われる。都市環境において自然との繋がりを再生し、熱帯気候に対応したエコロジカルな建築のあり方を提案する。
CAPITAGREEN TOYO ITO & ASSOCIATES, ARCHITECTS TAKENAKA CORPORATION RSP ARCHITECTS PLANNERS & ENGINEERS
138 Market Street, Singapore
2014

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
小松精練ファブリックラボラトリー fa-bo 設計 隈研吾建築都市設計事務所
施工 清水建設所在地 石川県能美市
繊維を専門に扱う小松精練の旧本社棟の改修.在来型耐震補強に加えて,自社で開発中の「炭素繊維ストランドロッド」を用いた補強を行っており,デザイン性も兼ね備えた耐震補強の可能性を提案する.現在,耐震補強部材としての認定を目指して取り組みを進めている.
KOMATSU SEIREN FABRIC LABORATORY FA-BO KENGO KUMA & ASSOCIATES
Ishikawa, Japan
2015

撮影: 新建築社写真部
photo: SHINKENCHIKU-SHA
相合家具デザインラボ 設計 隈研吾建築都市設計事務所
施工 徳倉建設所在地 三重県伊賀市
モードウレタンを用いた家具を得意とする相合家具製作所のデザインラボ.外壁は鉄骨の構造体を発泡ウレタンで被覆.ウレタンの厚さを調整することにより断熱性と透光性を獲得.外側をETFE膜で覆うこと紫外線をカットし,ウレタンの劣化を防ぐ.
SOGOKAGU DESIGN LAB KENGO KUMA & ASSOCIATES
Mie, Japan
2015