建築家 内井昭蔵 1933-2002 編集: 『建築家 内井昭蔵 1933-2002』編集委員会+内井乃生
Content
「私は建築がもつ力を信じている」と、理想を高く掲げて生きた建築家・内井昭蔵の初の本格作品集。代表的な62作品を、大判の写真、手の痕跡が残るスケッチによって紹介するほか、内井による6編の論文を再録。1980年代から“健康な建築”論争に発展した「健康な建築をめざして」など、いずれもが時代に刻印されつつ現代に問い掛ける。内井についての論文は、巻頭に梅原猛、香山壽夫、論考として仙田満、松岡拓公雄のほか、長谷川堯が250枚に及ぶ「建築と建築でないものの狭間で──新内井昭蔵論」を書き下ろした。祖父・河村伊蔵から三代の建築家像を読み解いた論考に、内井のすべてが余すところなく書き記されている。巻末にはAPPENDIXとして内井の熱い想いと癒されるような情感が伝わる「内井昭蔵のイコン」9点を収録。香山壽夫が解説。祈りの建築家、宮廷建築家、そして社会貢献建築家ともいわれた内井昭蔵は、2002年8月3日に急逝。6年後の8月、その仕事を集大成した作品集として戻ってきた。(2008年8月刊行)
目次
論文・評論:
精神性の高い建築家 梅原猛内井建築が語り続けるもの 香山壽夫建築と建築でないものの狭間で──新内井昭蔵論 長谷川堯内井建築のディテール考 松岡拓公雄社会貢献建築家 内井昭蔵 仙田満空間も人間も魅力的だった内井昭蔵 馬場璋造 柴田いづみ 黒澤秀行 内井理一郎 司会: 仙田満昭蔵と私──聖職者の如き一生 内井乃生 聞き手: 仙田満
内井昭蔵論文再録:
集合住宅における個と全体健康な建築をめざして塔と回廊──私の方法論風景と建築──日本の都市づくりの作法設計組織での教育から大学での教育へ建築教育における倫理教育について全249作品リストほか関連資料
APPENDIX:
内井昭蔵のイコン内井昭蔵のメッセージ
作品:
I───1969~1984身延山久遠寺宝蔵 1976/北山本門寺客殿 1971/清澄寺祖師堂 1972/川島テキスタイルスクール 1973/東京YMCA野辺山高原センター 1976/東京YMCA野尻学荘メインホール 1980/新発田市民文化会館・公民館 1980/浦添市立図書館 1984/ツバメコート本社屋 1973/銀座対鶴館ビル 1975/桜台コートビレジ 1970/桜台ビレジ 1969/宮崎台ビレジ 1971/目黒不動前マンション 1977/芙蓉蓼科山荘 1979/西谷の家 小倉邸 1976/香蘭女学校 1978~II───1980~1993世田谷美術館 1985/向日町教会・まこと幼稚園 1982/修養団捧誠会御霊所 1984/熊本県テクノポリスセンター 1986/一宮市博物館 1987/蕗谷虹児記念館 1987/浦添市美術館 1990/高岡市美術館 1993/福野文化創造センター 1991/富山県産業創造センター 高岡テクノドーム 1990/丸栄陶業本社屋 1989/六番町のビル 大下邸 1990/横浜市少年自然の家 赤城林間学園/ 鳥の家・森の家 1987・1988/明治学院大学 1989~2003/兵庫の家 金田邸 1980/桂坂の住宅 東CED・中央CED 1988/高円宮邸 1986/御所 1993III───1993~2002国際日本文化研究センター 1994/日本聖公会ナザレ修女会ナザレ修道院 1993/多磨霊園納骨堂 1993/高浜市やきものの里かわら美術館 1994/石川県七尾美術館 1994/サンリツ服部美術館 1994/群馬県立自然史博物館・かぶら文化ホール 1996/大分市美術館 1998/新湊市博物館・道の駅「カモンパーク新湊」 1998/石川県金沢港大野からくり記念館 1996/木造移動国会の提案 1995/群馬県立前橋高等養護学校 1997/群馬県立尾瀬高等学校自然環境科棟 1997/森の詩幼稚園 2001/長谷木記念幹 2000/世田谷区立中町小学校・玉川中学校 1995/日本女子大学附属豊明小学校 1997/滋賀県立大学 1997/環境工房 2001/犬山市民健康館 さら・さくら 2001/上野毛レジデンス 2002/元麻布ヒルズ 2002/参議院副議長公邸 1993/鳥取県知事公舎 1998/衆議院議長公邸 2001/日本基督教団信濃町教会 2004/ネサーンスハウス 内井自邸 1988