佳作

「四畳半×300」

  • 横山大樹
  • 中辻康次郎
    (以上2名、関西大学大学院)
佳作 「四畳半×300」作品写真 ※作品クリックで拡大されます

高齢者が増える一方で、出稼ぎにやってくる単身者も増加する.目まぐるしく変化する世の中がやってくる.住宅にはどんな人でも受け入れ、予想のできない変化にも対応できる柔軟性が求められている.

そこで、設えることはもちろん、シロウトでも作ることができる四畳半の流動性に着目し、四畳半300室で構成した固定化されない集合住宅を提案する.

四畳半は、日本の住まいの歴史の中で固定した価値や美学ではなく、多様な現われ方を演じている.四畳半は、茶室という最も洗練された儀式の舞台になる一方、生活が詰め込まれた木賃アパートの一室にもなりえる.四畳半1つ1つにそれぞれに異なった世界観存在が存在するのである.
また、四畳半の尺度は身体的で、人が出会い、会話を伴い、団欒をおくるための基本的な、そしてある動作には最適な空間である.そのため、ちゃぶ台をひろげれば食事の席になるし、布団を敷けば寝室ともなる.必要に応じた使い方ができるのである.

四畳半で構成された集合住宅には、単身者が暮らす四畳半1室の住戸もあれば、2世帯が暮らす四畳半6室の住戸もある.子供が家を出て使われなくなった四畳半の部屋で新しくお店を開くこともできるし、単身者に貸すことも考えられる.また四畳半を共有することで車倚子用のトイレなどもつくることが出来る.状況に応じて四畳半の部屋は、更新され、無駄なスペースが必要なスペースへと生まれ変わっていくのである.

nLDKのような固定化された形式ではなく、様々な現状と共に流動化していく集合住宅のあり方を求める必要があるのではないだろうか.

最新情報

2008年2月1日
審査講評を追加しました.
2007年12月21日
2007年11月9日
応募登録の受け付けを終了しました.
2007年8月23日
応募登録受け付けを開始しました.
学生対象