東京ミッドタウン日比谷 新たな街づくりの手法 New Technique of Town Planning
Content
2019年3月29日に開業1周年を迎えた「東京ミッドタウン日比谷」。1周年を記念して発行した本書では、日比谷に新たな賑わいをつくり出した「東京ミッドタウン日比谷」の街づくりのプロセスを紐解きます。
ここで実践された街づくりは、事業者である三井不動産だけではなく、地域の関係者や行政、有識者との意見交換や、さまざまなデザイナーが参加するチームの議論により、都市計画〜ビジョンづくり〜建築デザイン〜施工に至るまでシームレスに検討がなされ、具現化したというプロセスがあります。完成した建築や街、そこで生まれている賑わいを撮り下ろしの写真で紹介。さらに、ここでのプロセスを、これからの都市再生における方策として詳細に紹介します。
[ステートメント]
「街づくり」を通して社会の課題解決に挑戦
菰田正信[三井不動産 代表取締役社長]
周辺からの眺め
日比谷ステップ広場
商業エリア
TOHOシネマズ 日比谷
オフィス
Base Q
オフィスサポート
パークビューガーデン
基本図面+設計データ
[対談]
日比谷らしさ」を共有した新たな街づくり
小野澤康夫[三井不動産]×大松敦[日建設計]
PHASE 1
ビジョンメイキング ──日比谷の新たな街づくりへ
街の歴史と性格を理解する
日本の西洋化の先駆けとなった日比谷
日比谷公園の価値を再認識
文化・演劇、エンターテイメントの中心地
東宝の新たな街づくり
山下誠[東宝 取締役 不動産経営担当]
太田圭昭[東宝 不動産経営部次長]
日生劇場と日比谷
松本勝嗣[日生劇場 劇場部部長]
千代田区第1号地区計画(1985年)
日比谷パティオ(2008年12月~2011年6月)
土地区画整理事業、地区計画、都市再生特別地区
「Park Side」から「In the Park」へ
PHASE 2
街づくりのビジョンをデザイン・計画として具現化する
「Dancing Tower」で実現する日比谷らしさ
場所とディテールの重要性 ──品質と洗練
マイケル・ホプキンス[ホプキンス・アーキテクツ]
柔らかさのデザイン
サイモン・フレーザー[ホプキンス・アーキテクツ]
全関係者が一堂に会する重要な会議体「ワークセッション」
デザインと並行して進む都市計画の協議
景観と事業性を両立させる曲面のタワー形状
景観を決定付ける外装ディテール
人が集い賑わう広場
初心を確認するためのグランドデザイン会議
PHASE 3
実現に向けたデザインの深化と検証
新たなデザイナーの参画
記憶を継承しながらも先進性のある商業インテリア
オフィスワーカーが舞うステージ
公園のような柔らかなランドスケープ
街を上品に照らし出すライティング
アクティビティのきっかけを生むアート
歴史を表す3つの石が生み出す人との対話
和泉正敏[彫刻家]
伝統産業の和紙と最先端技術の融合がつくり出す豊かな空間
堀木エリ子[和紙デザイナー]
着工に向けて1番列車を走らせる ──実施設計1
デザインを実現する設計図面への落とし込み
総合検討を深めるための2番列車を走らせる ──実施設計2
モックアップで確認・検討し、合意形成を進める
PHASE 4
技術と人に支えられ実現した街づくり
36カ月にわたる工事のスタート
いよいよ建物が立ち上がる
建物の機能を止めない備え(BCP)
地下鉄との接続
Dancing Towerを印象付ける外装取り付け
街への存在感が立ち現れる
たくさんの職人に支えられる工事現場
たくさんの人の関わりで実現した難易度の高い工事
桐生雅文[鹿島建設 東京ミッドタウン日比谷現場所長]
街びらき
[論考]
新しい文化を取り込む日比谷エリアの特性と可能性
岸井隆幸[日本大学理工学部 特任教授]
建築データ・クレジット