JA 117, Spring 2020 前川國男 Kunio Maekawa
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『ja』117号では、前川國男(1905〜1986年)を特集します。モダニズムの文脈における日本建築のアイデンティティを確立してきた前川國男の建築にはモダニズムと日本らしさの両方が密接に絡み合っています。ゲストエディターを務めるベルギー人建築家ヘラ・ファン・サンデ氏のこうした考えに基づき、本号では以下の4の側面から前川國男の作品にアプローチしていきます。 第一に、モダニズムの側面から、ル・コルビュジエの思想が前川に与えた影響。 第二に、日本伝統建築固有の空間特性を自らの建築に昇華した方法。第三に、モダニズムとローカリズムの超越を標榜した姿勢。最後に、前川が到達した自然で平和な空間を生み出す解放された設計アプローチです。これらを主題に執筆されたファン・サンデ氏の4本のエッセイや、松隈洋氏との対談、22の前川建築を通じて紹介します。
序文
前川國男について
ヘラ・ファン・サンデ
対談
前川建築の持つ意味
松隈洋、ヘラ・ファン・サンデ
エッセイ
ル・コルビュジエの重要性
ヘラ・ファン・サンデ
木村産業研究所
森永キャンデーストアー銀座売店(改装)
守谷邸
前川國男自邸
プレモス
紀伊國屋書店
エッセイ
前川國男、真の日本のアイデンティティを求めて
--原動力としての空間
ヘラ・ファン・サンデ、イヴ・スホーンヤンス
神奈川県立図書館・音楽堂
MIDビル
国際文化会館
福島教育会館
晴海高層アパート
エッセイ
統合に向けて:ブリュッセル万国博覧会日本館
ヘラ・ファン・サンデ
ブリュッセル万国博覧会日本館
京都会館
東京文化会館
神奈川県立青少年センター
紀伊國屋ビルディング
蛇の目ミシンビル
エッセイ
解放された設計アプローチに向けて
ヘラ・ファン・サンデ
埼玉県立博物館
東京海上ビルディング
熊本県立美術館
国立西洋美術館新館
弘前市斎場
公共建築の死・前川國男を悼む
伊東豊雄(『住宅建築』1986年9月号より転載)
データ