a+u 2026年10月号 特集:スペース・アーキテクチュア──世界の先端プロジェクト Feature:Architecture in Space – Pioneering Projects
Content
本号では、急速に発展するスペース・アーキテクチュアを取り上げます。人類の宇宙活動が短期の探査ミッションから長期滞在・居住へと移行するなか、建築はその実現に不可欠な役割を担いつつあります。課題はもはや、生命を維持するための機械を設計することだけではありません。人がそこで暮らし続けることのできる環境をいかに設計するかが問われています。
本号は、地球外における居住環境の構築に関わる3つのテーマに沿って構成されています。「プレファブリケーション+輸送」では、居住ユニットをいかにコンパクトにまとめ、宇宙へ輸送し、現地で展開するかを考えます。ロケットに搭載できる重量や容積が厳しく制限されるなか、SAGAスペース・アーキテクツによるLUNARKやリクイファーによる極限環境用自己展開型居住施設(SHEE)は、折り畳みや展開の仕組みを通して、この課題に応答しています。
「素材+建設」では、建設材料を地球から輸送することの困難に着目します。スペースファクトリーによる火星居住施設(MARSHA)やBIGによるプロジェクト・オリンパスは、人間の到着に先立ち、自律的な建設システムが現地の資源を用いて居住環境を構築する可能性を示しています。
「デザイン+居住性」では、人間の体験へと焦点を移します。過酷な外部環境から隔離された空間のなかで、人がどのように生活するかが建築の中心的な課題となります。ヴァストによるヘイヴン1や竹中工務店による月面居住グランドデザインは、長期間にわたる閉鎖環境での生活を支えるため、照明、素材、空間構成、共用空間のあり方を探求しています。
巻頭には、宇宙建築家デイヴィッド・ニクソンによるエッセイを収録しています。ニクソンは、20世紀の宇宙開発において、エンジニアリング主導の領域に人間のためのデザインがいかに導入されてきたかを、歴史的な展開とともにたどっています。本号で紹介するプロジェクトは、宇宙に固有の居住、建設、素材の課題を扱うだけでなく、スペース・アーキテクチュアが地球上の建築の延長線上にあることを示しています。(編)
イントロダクション
エッセイ:
スペース・アーキテクチュア──その黎明期
デイヴィッド・ニクソン
宇宙船と宇宙ステーションの建築──デザインの変遷
プレファブリケーション+輸送
自動展開する膨張式エンベロープ
月火星ベースキャンプ
佐藤淳/東京大学+佐藤淳構造設計事務所
エッセイ:
不整地への着地に対応した月・火星基地キャンプ用受動展開建設システム
佐藤淳
高展開率のオリガミ・シェル
LUNARK
SAGAスペース・アーキテクツ
ロケットに隙間なく積めるプレハブ式のハウス
ローゼンバーグ宇宙居住施設
SAGAスペース・アーキテクツ
コンテナサイズの剛体展開式モジュール
極限環境用自己展開型居住施設(SHEE)
リクイファー
ハイブリッド膨張式ロケットペイロード
ムーン・ビレッジ
スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル(SOM)
素材+建設
3Dプリントによる付加製造型火星居住施設
マーズ・デューン・アルファ
ビャルケ・インゲルス・グループ(BIG)、NASA
3Dプリントによる軽量メッシュ構造
月面居住施設、月面生活設備、月面タワー
フォスター・アンド・パートナーズ
ロボットが3Dプリントするレゴリス居住施設
火星居住施設
フォスター・アンド・パートナーズ
持続可能なトーラス型レゴリス構造
プロジェクト・オリンパス
ビャルケ・インゲルス・グループ(BIG)、ICON、SEArch+、NASA
押出成形した玄武岩バイオポリマーの2重シェル
火星居住施設(MARSHA)
スペースファクトリー
3Dプリントされた半透明の氷のシェル
火星のアイスハウス
Clouds Architecture Office
磁力で自己組立てする宇宙用タイル
TESSERAE
オーレリア・インスティテュート
デザイン+居住性
宇宙飛行士の閉所訓練用居住施設
フレックスハブ
SAGAスペース・アーキテクツ
極度の隔離環境におけるバイオフィリック・デザイン
EDEN ISS
リクイファー
微小重力下の快適性を高める最適な人間工学
ヘイヴン1
ヴァスト
モジュール式の自給自足型微小重力ステーション
アクシオム・ステーション
アクシオム・スペース
低重力・閉鎖環境における人間中心のデザイン
月面居住グランドデザイン
竹中工務店
火星の氷下に広がる水中都市
火星の水圏
Clouds Architecture Office
エッセイ:
人間性を拡げる建築
曽野正之、オスタップ・ルダケヴィッチ
















