a+u 2010年3月号 20世紀名建築の再生 Reinvigorating 20th Century Masterpieces
Content
表紙: 本号に収録された作品のリノヴェーション後の様子。
特集: 20世紀名建築の再生
カレンツ:
SO-ILが第11回MoMA/P.S.1若手建築家プログラムに勝利
OMAが香港の珠海学院キャンパス設計競技に勝利
LANアルシテクチュールがフランスで開催された2つの設計競技に勝利
20世紀に建てられた建築物の存続が危ぶまれている。時代の象徴として名建築と称えられた建築物でさえ、絶えず取り壊しの危機にさらされているといえるだろう。新しい素材や技術が開発され、50年前、100年前には考えもしなかった規模の建設が可能になり、またその形態も自由度が加速されているように見える。経済性、利便性、安全性などを鑑みる中で、建物の寿命については様々な考え方があるだろう。本号では、修復・保存、改築・増築などを経た、20世紀の名建築に焦点を当てる。エーロ・サーリネンのTWAターミナル・ビルディング(1962年)は、修復を経て増築棟と連結されることによって命を吹き返し、ポール・ルドルフのイエール・アート・アンド・アーキテクチュア・ビルディング(1963年)は、修復され慎重に新しい増築部分と統合された。ルイス・カーンのイエール・アート・ギャラリー(1953年)とミース・ファン・デル・ローエのIITクラウン・ホール(1956年)では、度重なる補修や改築から全面的にオリジナルへの改修が行われた。また、ワルター・グロピウスのデッサウのバウハウス校舎(1926年)とフランク・ロイド・ライトのソロモン・R・グッゲンハイム美術館(1959年)は、現在の技術を駆使して竣工当時の姿を獲得し将来的に保存される。さらに、ヨーン・ウッツォンのシドニー・オペラ・ハウス(1973年)では、BIMテクノロジーを採用し未来の修復に備えた研究が続けられている。建物の保存や改修の方法は多種多様であり、オリジナル・デザインの堅固な維持から、フレキシブルな拡張計画まで、1つ1つの建築物にそれぞれの解決策が見いだされていく。再生のかたちはどうあれ、それらの建築物と対面するとき、私たちはそこに受け継がれたヴィジョンを感じとることができるだろう。(編)
ゲンスラー
TWAターミナル・ビルディングとジェットブルー航空ターミナル5
ディラー・スコフィディオ+レンフロ
アリス・タリー・ホール
グワスメイ・シーゲル・アンド・アソシエイツ・アーキテクツ
イェール大学芸術棟
ポルシェック・パートナーシップ・アーキテクツ
イェール大学アート・ギャラリー
エッセイ: イェールの復元
ポール・ニーダム
ブラムバッハ・アンド・エーベルト・アルヒテクテン、フィステル・シース・トロペアーノ・アンド・パートナー
デッサウのバウハウス校舎の保存
エッセイ: バウハウス再考
ウルフ・マイヤー
ワンク・アダムス・スラヴィン・アソシエイツ
ソロモン・R・グッゲンハイム美術館の保存
展覧会レヴュー: フランク・ロイド・ライト: 内側から外部へ
ジョン・ゲンダール
クルック・アンド・セクストン・アーキテクツ
IITクラウン・ホール
リシュテール+ダール・ローシャ
ネスレ・ウェルネス・センター
アリス・アンド・モリソン・アーキテクツ
ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
ジョン・マクアスラン+パートナーズ
デ・ラ・ウェア・パヴィリオン
アルヴァロ・シザ・ヴィエイラ
レサ地区修景計画とレサのスイミング・プール
ウッツォン・アーキテクツ、ジョンソン・ピルトン・ウォーカー
シドニー・オペラ・ハウス・リノヴェーション・プロジェクト
ル・コルビュジエとホセ・ウーブレリー
フィルミニの教会