a+u 2011年10月号 マンハッタン・グリッド200年 Manhattan Grid
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表紙: マンハッタンのミッドタウン・エリアを見下ろす。 撮影: スーパースタジオ。
特集: マンハッタン・グリッド200年
本号では、今年で計画から200年目を迎えるマンハッタンのグリッド・プランを様々な角度から特集する。SOM(スキッドモア・オウイングス・アンド・メリル)会長のデイヴィッド・チャイルズ氏は、グリッドについて、「ニューヨークをニューヨークたらしめている唯一最大の特徴である。厳格なジオメトリーはともすると拘束的に作用するように思われるが、実はこの没個性なグリッドが柔軟性を発揮するのである。」と述べている。実際にブロードウェイをワールド・トレード・センターからコロンビア大学まで歩いたProxyの長谷川徹氏の写真(48〜53頁)からは、そうした多様な地域性がいくつも点在していることが見てとれる。グリッド・プランは都市を把握するスケールだけでなく、様々な文化を受け入れる基盤にもなっているのかもしれない。特集の前半はニューヨーク市が公開しているデータから人口密度やグリッドのゾーニング計画などをビジュアル化したほか、写真やアイソメなど多くのイメージを通して、グリッドの200年間の変遷と現状を紹介する。巻頭では、マンハッタンに拠点を構える11名の建築家に、マンハッタン・グリッドについてコメントを寄せていただいた。過去から現在、将来まで横断する彼らの視点からは、都市や建築、社会とグリッドとの関係を知ることができる。また後半は、グリッドに建つ約100作品を建築ガイドとして収録している。建築ガイドはウェブとも連動している(詳細は146頁)。21世紀を迎え、世界の都市でサステイナブルやエコロジカルな社会が模索されている。マンハッタンも、2020年に向けたヴィジョンを掲げており(30頁)、新たな都市として変わりつつある姿が垣間見えるのではないだろうか。(編)
マンハッタンの空撮
建築家にとって、マンハッタン・グリッドとはいかなるものか?
建物と都市
マンハッタンの地図(1811年、2008年)
エッセイ: マンハッタンのグレート・グリッド
アマンダ・バーデン
都市の高さダイアグラム
グリッドのゾーニング計画(2011年)
人口密度の変遷(1900~2010年)
街並み──アヴェニューとストリート
ブロードウェイを歩く
建物のアイソメトリック(年代順、高さ順)
マンハッタンのスカイライン
1900年代の車と都市
マンハッタンと東京の地図
マンハッタン建築ガイド
エッセイ: 未来は過去にある──エンパイア・ステート・ビルディングの改修
ジョン・ゲンダール
インタヴューとエッセイ:
ニューヨークのBMWグッゲンハイム・ラボ
路上にでた美術館
デイヴィッド・ファン・デル・リーア
安らぎへのとり組み
チャールズ・モンゴメリ
ミツバチの巣箱
トーマス・ガースト
展覧会: インフラストラクチャのためのBIM
新しい都市に向けたアイディア・フェスティヴァル: アウディ・アーバン・フューチュア: 2030年のマンハッタンの姿
書評: 『錯乱のニューヨーク』再読
柄沢祐輔
展覧会: 194X~9/11: 米国建築家と都市
1811年以降のマンハッタンの出来事