a+u 2012年9月号 ラ・ルース・マヒカ──写真家、鈴木久雄 La Luz Mágica - Photographer, Hisao Suzuki
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表紙: ブルックリン橋からマンハッタンを見る。写真: 鈴木久雄。
特集: ラ・ルース・マヒカ──写真家、鈴木久雄
2012年1月、バルセロナに住む日本人写真家、鈴木久雄氏を訪ねた。1986年からスペインの建築雑誌『エル・クロッキース』と協働し、現代 建築を撮影し続けている彼のモノグラフを企画するためである。取材では、彼の経歴や発想の源となるようないくつかの風景をともに訪れた。ピレネー山脈の夕 暮れを眺めながら「ラ・ルース・マヒカ(スペイン語でマジック・ライトの意味)という明け方や夕暮れに現れるやわらかな光を探し撮影してきた、その時間は オーケストラの演奏の直前と直後のようだ」と語っていたことが印象に残っている。本号では、4×5inch判という大型カメラで鈴木氏が撮りためた写真約50,000カットから81点を選出している。前半では日が昇り沈むまでの光、ま た曇り空や霧、雨上がりなどに現れる「方向性を失って漂う体積(ヴォリューム)としての光」のとらえ方、そして風景としての現代建築について。後半では 「ル・トロネ修道院」、「ロマネスクの教会」、「バルセロナ」など発想の源を探った。メインとなる写真には、通常のキャプションではなく各カットに彼の言 葉を添え「写真の視線」が伝わるようにした。スペインの建築家フアン·カルロス·サンチョ・オシナガ、ソル・マドリデホスとRCRアランダ・ピジェム・ ヴィラルタ・アーキテクツによるエッセイ、そして西沢立衛氏との対談も収録している。作品としてではなく「正確」な記録としての写真を残したいという彼がとらえるもの──そこには建築があり情景があり空や大地とともに人の生活の気配がある──を感じていただきたい。 (編)
レポート: ワールド・シティ・サミット2012統合された都市問題の解決手法――リーダーシップとパートナーシップ
特集: ラ・ルース・マヒカ──写真家、鈴木久雄
エッセイ: ラ・ルース・マヒカ──マジック・ライト
鈴木久雄
明け方の光
通常の光
夕暮れの光
去りゆく光
対談: 建物とその環境を記録すること
西沢立衛× 鈴木久雄
マイ・マジック・ライト
風景としての現代建築
エッセイ: 写真、感性と鈴木久雄
ホアン· カルロス· サンチョ・オシナガ、ソル・マドリデホス
教会の光
ル・トロネ修道院
エッセイ: 名匠のまなざし
ラファエル・アランダ、カルメ・ピジェム、ラモン・ヴィラルタ
ロマネスク
バルセロナ
エッセイ: 私のマジック・ライトを探して
鈴木久雄
写真リスト
作品




