a+u 2021年12月号 特集: パウロ・メンデス・ダ・ローシャ Feature: Paulo Mendes da Rocha
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『a+u』12月号はブラジル人建築家で、去る5月に逝去したパウロ・メンデス・ダ・ローシャを特集する。メンデス・ダ・ローシャは1928年ブラジルのヴィトーリアに生まれ、その力強いコンクリート造形でブラジル(特にサンパウロ)・モダニズムの創生において中心的役割を果たす。ダニエーレ・ピサーニが詳述するように、ブラジル彫刻美術館は開かれた「人工風景」をつくりだし、「その開放性は周囲に波及し、現状の都市では叶わない都市空間体験の充実を図ろう」としている。また大阪万博ブラジル館は、地球の反対側から来た建築家が、日本という場所のもつ自然への敬意とエンジニアリングへの深い造詣を共有し、そこの建築文化と地続きの作品をつくりだしたという点で傑出している。メンデス・ダ・ローシャの建築は物質性という点で抜きんでているが、彼の設計した公共建築についてさらに言えば、使う人間にたいする非常な倫理観も特筆できる。地面の上のモニュメンタルな構造の下に、新たな風景と地平が出現する。本号でジョゼ・パウロ・ゴウヴェアによる書き下ろしの解説文とともに紹介するのは、メンデス・ダ・ローシャが公共空間へもたらした貢献を写しだす6作品である。加えて自邸・事務所をかいまみ、彼の遊び心に満ちたスケッチを紹介する。ここで掲載した図面の多くはカーサ・ダ・アルキテットゥーラ(ポルトガル、ポルト)に所蔵さればかりのメンデス・ダ・ローシャ・アーカイヴより、新たにデジタル化された資料である。 (編)
エッセイ:
MuBE(ブラジル彫刻美術館)、あるいは人工風景を築く建築
ダニエーレ・ピサーニ
ブラジル彫刻美術館(MuBE)
大阪万博ブラジル館
ジョルジュ・ポンピドー文化センター
サンパウロ大学現代美術館
ドラダ山地市営スタジアム
パトリアルカ広場と屋根
エッセイ:
メンデス・ダ・ローシャを偲んで
ヌーノ・サンパイオ
メンデス・ダ・ローシャのスケッチ
メンデス・ダ・ローシャのオフィス
メンデス・ダ・ローシャの自邸
エッセイ:
24枚のスケッチで綴るメンデス・ダ・ローシャの思い出
エドゥアルド・ソウト・デ・モウラ